今回はKelis(ケリス)の4thアルバム「Kelis Was Here」をピックアップ。
僕は彼女のアルバムを買うのは初めて。ニューヨーク出身の27歳のR&Bシンガーです。
さばさばとした歌いっぷり、若干かすれ気味っぽい中低音ボーカル、かっこいいジャケットに惹かれました。
アルバムはプロローグ的な役割を果たすソウルナンバー、「INTRO」から渋く始まります。
そして「Blindfold Me」は今年結婚したばかりのパートナーNASをフィーチャーしたイケイケでかつ
セクシーなナンバーに仕上がってます。
「Bossy」は先行シングルでとてもバウンシーなナンバー。これは好きですね。音の遊びが凝ってて
ピコピコサウンドや、三味線かシタールといった弦楽器風の音色のトラックが印象的。
ボーカルもコケティッシュです。
「Fire」はレゲエDJ Spragga Benzをフィーチャーした情熱的なダンスホールナンバー。
「I' Don't Think So」はブリちゃんやバックストリート・ボーイズの楽曲でもおなじみの
マックス・マーティンによるプロデュースの楽曲。マックス・マーティンといったら
クールでかつキャッチーなR&B風ダンスポップが思い浮かぶけれども、ここでは
ノリのいい軽快なポップ・ロックを彼女に提供。ほかの曲とは一味違う魅力を付与してます。
「Weekend」はBlack Eyed Peasのウィル・アイ・アムによるプロデュース作品。文字通り週末のウキウキ気分を
歌った、エレクトリカルなナンバー。けれどもこの曲中の歌詞の一部が「鼻デカ、ボン!鼻デカ ボン!ボン!」って
聴こえる部分があって(歌詞はまったく違うんだけどね)、なんだか笑えます
。
「Trilogy」はスコット・ストーチのプロデュースによるミディアムナンバー。シンセサウンドの
ゆるやかで幻想的な響きと、シックな彼女の歌声がマッチした1曲になってます。
「Appreciate Me」は壮大なコーラスが印象的なゴスペルナンバー。好きな人に対して、表でギャングスタを
気取るのはいいけど、家に帰ってきたら、自分だけに心を開いて、そして愛してほしいという
とてもスイートな内容のラブソング。
「Till The Wheels Fall Off」は。恋に落ちた人とどこまでも突っ走っていくときの心境を歌ってます。
怖いもの知らずの強さみたいなものが描かれてます。サウンドは詞に合わせるごとく、要所要所で
ハードロック的ながらも、基本のメロディーラインは落ち着いたテンポで進行する感じ。
また、爽やかなブラスアレンジが突然テンポダウンして終了する構成も意外性があって面白いです。
「Handful」はゆるやかでのーんびりしたメロと、ラップの繰り返しが続く不思議な展開の曲。
「Aww S***!」は終始、ウニョウニョした不快な電子音が鳴り続けるトラックの上を
Kelisがけだるいボーカルで「ヘキヘキヘキ アァァシッ!」とつぶやくヘンテコな楽曲。
あまりにも変なサウンドなんですけど、アルバムでは一番好きかも。
「What's That Right There」はFUNKADELICの「(Not Just)Knee Deep」をサンプリングした、
ビートが力強いクラブ・チューン。
「Circus」は一転して70年代風のソウル・ミュージック風。けれどもずっとなり続けてる変なベルの音色とか
このスウィートな雰囲気の中でラップを聴かせるなど、単純なソウルミュージックにしないところに
こだわりを感じさせる仕上がりに。
「Lil Star」はナールズ・バークレイのメンバーでもある、Cee-loをフィーチャリングした落ち着いたソウルナンバー。
この曲はほかの曲に比べると遊びの要素はそれほど多くないけれども、逆に楽曲のよさをシンプルに伝える役割を
果たしてます。大人のソウルミュージックって感じ。
「Like You」は落ち着いたトラックに、小鳥のさえずりのようなハイトーンのオペラのボーカルをサンプリングして、
なんだか楽曲のイメージがとてもキュートでのんびりした雰囲気に仕上がっているナンバー。
Kelisのボーカルはこの曲では主張を控えめに歌ってます。けれども、そんな雰囲気とは裏腹に
詞の内容はエッチなものでした
。
「Loving Proof」はシンプルかつ優しいメロディーラインを持つポップな楽曲。バックサウンドのオルゴール風の
かわいい音色や、浮遊感あるシンセサウンドなどもなんとなくかわいらしい感じです。
「Goodbyes」は最近はクリスティーナ・ミリアンちゃん仕事でもおなじみのCool&Dreプロデュース。
もっとアゲアゲなナンバーでくるかと思いきや、ピアノの音色が美しい女性らしいバラードになってます。
好きな人になかなか伝わらない気持ちを切なく歌ってます。でも、終始そんな曲なのに終始、ハンドクラップ音が
入ってたりと変わった構成ではあるけどね。
「Have A Nice Day」は聴く者をキュンとさせるもの悲しい正統派アコースティックバラード…とおもいきや
急に途中で陽気なタンゴ調の楽しい楽曲に展開する構成が楽しい一曲。後半はギターやパーカッション、
そして手拍子まで打ち鳴らしてパーティーでも始めそうな勢いのサウンドです。
ラストの隠しトラック扱いの「Fuck Them Bitches」は自分のことを、あれこれと言う周りに対して
きつーい言葉のお見舞いをする豪快で痛快なポップチューンです。
この人、デビュー期からネプチューンズによるプロデュースでやってきたものの、前作を最後に
彼らと袂を分かって、これが初のアルバムとなる心機一転の作品になったようだけど、
彼女自身の、自分自身のキャラクターを理解した上の、自信に満ちた落ち着いた歌いっぷりは
見事だし、今回の様々なサウンド・メイカーとのコラボレーションも、様々な歌の表情を見せてくれたという
意味で成功してるし、なかなか良作だと思いました。
- ケリス, ナズ, トゥー・ショート, スプラガ
- ケリス・ワズ・ヒア(CCCD)