今日は5年半前にリリースされた宇多田ヒカルの2ndアルバムをピックアップ。

このアルバムも売れましたよね~。当時、浜崎あゆみのベスト盤と同時発売で売り上げ対決がメディアを

賑わしていたのを思い出します。ちなみに彼女のアルバムのジャケットの中ではこれが一番好きかも。


アルバムは「Wait&See~リスク~」からスタート。Jam&Lewisプロデュースによる、ミステリアスでちょっぴり切ない雰囲気の

ポップチューン。「つまづきながらでも前へ進もうよ」というフレーズはどんな歌でもよく聴くけど、この曲では

それを「口で言うほど楽じゃない」と冒頭で軽く否定してる部分が共感もてますね。

あと、ラストの「キーが高すぎるなら下げてもいいよ」のくだりは何度聴いても、うまいなぁと思いますね。

その前の展開とまったく関係のない、けれどもファンのことを気遣った詞を「ぽんっ」と登場させるところが、

冴えてます。一番最後の「悩みなんてひとつの通過点」ってのも好きですね。彼女は当時18歳と、むちゃくちゃ

若いのにこういう言葉をいっても臭くならず、なんとなく説得力があるというのはやっぱり才能なのかなと思います。


続く「Can You Keep A Secret」も好きですね。クールで切ないR&Bチューンですが、バックで静かになり続ける

スパニッシュなギターサウンドも結構いい味を出していると思います。


「DISTANCE」は春の暖かい日差しを感じさせるような、ゆるやかで明るい雰囲気のポップス。

愛し合う二人でも、決してひとつになることはないけど、少しでも距離を縮めていこうという内容で、

いつかその心の距離さえも愛しく思えるという、詞がこれまた秀逸ですね。近づきすぎると見えないものって言うのも

あるから。


「サングラス」は冒頭3曲の勢いをクールダウンするような大人っぽい雰囲気のR&Bチューン。


「ドラマ」も、このアルバムでは珍しい雰囲気のヘビーな雰囲気のロックサウンドにのせて歌われるナンバー。

歌い方もいつもと変えていて、挑戦の姿勢が見えます。GLAYのTAKURO作曲ですね。


「Eternally」はピアノとストリングスで聴かせる美しいバラード。夢の中にいるようなシチュエーションで、

ほんのつかの間だけでもいいから、好きな人と誰にも邪魔されない永遠の愛を感じていたいということを

歌っているナンバー。


「Addicted To You[UP-IN-HEAVEN MIX]」も好きな一曲。これまたJam&Lewisプロデュース。

いつも会えないことはわかってるし、別にかまわないと割り切ろうとしながらも、それでも

どうしても好きな人を求めてしまう切ない気持ちを歌ったナンバーで、ラストまで終始流れている

「チキチキあぁ♪」というウィスパーボイスも結構すき。


「For You」は切ないピアノのイントロ、タイトなビートを刻むシンセが印象的なクールなR&B。


「蹴っ飛ばせ」はデジタルなイントロの雰囲気から一転、本編はHikki流歌謡ロックとでも

いうようなナンバー。「ぎゅいーん」とうなるギターや、若干ハスキー気味なボーカルも

このサウンドにあってます。


「Parody」はさらに雰囲気が変わってレゲエ色の強いナンバー。

僕はこの曲の彼女のボーカルが結構好きですね。力が抜けているというか、伸びやかというか。

コーラスも軽やかでいいし。途中で間奏がジャズ風になったハードロック風になったりする展開も好き。


「タイム・リミット」はRodney Jerkinsプロデュースですね。お金かかってるなぁかお

これはトラックがかっこいいですよね。完全に洋楽仕様って感じ。詞に関しては恋愛をベースにしているものの、

歌ってる内容は「物事には終わりがあるからこそ、今という瞬間を大事にしよう」というもので、恋愛以外にも

当てはまることなんで結構響きますね。

特に「タイム・リミットのない頑張りなんて続かない」という言葉はなかなか鋭い気がします。

仕事でも勉強でも、「いついつまでに、必ず達成して成果を残すぞ!」という目標を立てない限り、

だらだらと努力を続けても実らないことが多いですから。やっぱり彼女、詞もいいです。


ラストは「言葉にならない気持ち」。ダブ・サウンド的な世界にトライした作品です。

なんか幻想的なサウンドです。タイトルどおり、うまく伝えられないきもちのもどかしさを

歌ってます。


さらにボーナストラックの「HAYATOCHIRI-REMIX」まで、全13曲を通して

いろんなサウンドの中で、ほんとに自分の持ってる能力を自在に発揮してる気がします。

才能がほとばしってる感じ。しかも日本音楽史上一番売れた1stアルバム「First Love」の後なのに

気負いとか感じないし。

これが18歳のときの作品だというのだから、すごいなぁと改めて思います。

宇多田ヒカル, ジミー・ジャム, テリー・ルイス, 西平彰, 本田優一郎, 河野圭, 村山晋一郎
Distance