今夜は安藝アンジェラこと、アンジェラ・アキさんの1stアルバム「HOME」です。
僕は彼女の4thシングル「This Love」が気に入って購入したのですが、
なかなかレビューできませんでした。
アルバムは彼女の初のオリコントップ10入りを果たした3rdシングル「Kiss Me Good-Bye」からスタート。
愛を終わらせて夢に飛び立とうとする恋人に対して、寂しいけれども優しくエールを送るという
穏やかなバラードなんですが、ストリングスの音色がとても美しく、伸びやかな彼女のボーカルとあいまって、
詞の世界を後押しする素晴らしい仕上がりです。
続く「Love is Over Now」も恋の終わりを歌った歌。こちらは恋の終わりに直面して、その恋にすがりつくんじゃなく、
「あなたの心を自由にしたいから」愛から手を引くという、去り際の潔さみたいなものが色濃く出ています。
これまた彼女のボーカルがとても優しくていいですね。さっぱりとした失恋ソングが2曲続いて、これは彼女の性格を
反映したものなのかな。
そして「心の戦士」。これはタイトルどおり力強いピアノとボーカルから始まるナンバー。
心が病んでいるときに聴くとパワーをもらえる曲です。
「MUSIC」はアルバム4曲目にして初のアップテンポ。キラキラしたピアノのイントロから始まるロックナンバー。
なんとなくヴァネッサ・カールトンの「A Thousand Miles」をほうふつとさせる瑞々しい感じ。まぁ両者とも
自作自演のピアノポップスという共通点もあるしね。
そして大好きな「This Love」へ。苦しみや悲しみの溢れる社会の中の、ひとつの安らげる愛の存在を
歌った大きなバラード。彼女の曲はかなりストリングスが効果的に使われていて、曲を壮大にする効果が
成功してますね。
8曲目「Rain」も失恋ナンバー。ただこちらもとても明るいメロディー。前向きな明るさを感じる
アメリカンポップス風。過ぎた悲しみを雨で流して、生まれ変わりたいという詞。
この辺はまぁ「ありきたり」っちゃあ、ありきたりではあるかな。森高千里の名曲「雨」を
もうちょっと明るめにした世界というか。
9曲目「奇跡」はスウィングビートが軽やかな曲。けれどもこれもそんなに明るい詞ではなくて、
冷めだした恋愛関係について、関係を元に戻すきっかけを探しているという内容のものです。
11曲目「ハレルヤ」も結構好きですね。先の見えない不安な現代に生きる私たちの
未来への希望を描いた歌で、バンドサウンドがかっこいいです。
そしてデビューシングル「HOME」は、都会に住む誰もが思う故郷へのノスタルジーを
歌ったナンバー。夢を追うために都会を離れることは出来ないけれども、
疲れたときに心に浮かぶ風景は、遠く離れた故郷だということを歌ったスタンダードナンバー。
他にも、ずんずんと低音を這うピアノの旋律ではじまり、途中ジャジーな雰囲気も見せるメロディーが
アルバムの中ではとても個性的な「宇宙」(詞もなんだか現実離れした不思議な雰囲気)、
彼女のピアノと、チェロの演奏だけの「お願い」、
好きで好きでたまらないという気持ちを表現した、ブルース風の「大袈裟に『愛してる』」、
さらには全編英語詞で彼女のピアノをバックに歌う「Your Love Song」まで
1stにしては超がつくほどの完成度の高さです。
インディーズでの実績もあるし、いま流行ってるアーティストの中では比較的遅咲き(間もなく29歳)なことや、
全曲を作詞作曲できるスキルからみても、当然なのかもしれないけど
あまりに磐石過ぎて、面白みには欠けるかも。まぁシンプルなピアノ弾き語りスタイルですしね。
そんなに変わったサウンドにはならないんでしょうけど。
ただ僕こういうピアノ主体のアーティストも好きなんですよね。辛島美登里とか柴田淳とか。
こういう大人のアーティストって意外と少ないから、地道に人気は積み重ねていけるでしょうね。
- アンジェラ・アキ
- Home (通常盤)