今日はStacie Orrico(ステイシー・オリコ)の3年ぶりのアルバム「BEAUTIFUL AWAKENING」をレビュー。
彼女にとって本格デビューとなったアルバム「Stacie Orico」から3年ぶりにリリースされた本作ですが、
僕は前作の彼女の憂いを秘めた様なボーカルがすごく好きで、今作も楽しみにしてました。
前作はR&Bとロックをうまく融合したような作品になっていて、サウンド的にもすごくキャッチーで、日本でも
大きなヒットとなりましたよね。いまだに「Stuck」とか「(there's gotta be)More To Life」をはじめ、好きな曲が多いです。
そして今作ですが、一聴した感想は「ずいぶん大人っぽくなったなぁ」というものでした。しっとりしてる。
アッパーな曲が少ないということもあって、そう感じたのかも知れないけど、前作ほど最初っからガツンとくる楽曲は
少なかった気がします。でも、何度も聴くうちにじわじわと心に沁みわたるようなスルメアルバムだということがわかってきました。
アルバムは日の出の瞬間をイメージさせるようなシンセのイントロが美しい「So Simple」からスタート。
「物質的な豊かさを追い求めたり、ゴテゴテと着飾ることよりも、シンプルに、自分に正直に、誠実に生きていくことが大事」と歌う
ナンバー。若手ミュージシャンがなんだか総セレブ化しているなか、なーんだか素朴な感じがする彼女が
歌うからこそリアリティが生まれるような曲になってます。
続く「I'm Not Missing You」は過ぎた恋を吹っ切って、前に進もうとする力強い姿を描いた明るいR&Bナンバー。
ピアノのメロディーが清涼感を漂わせてます。
「Dream You」はイントロの男性コーラスが印象的なレゲエ風ナンバー。まだ見ぬ恋人の姿を夢見る
可愛らしい女の子の心情を歌った歌です。
続く「Easy To Luv You」は本作の中ではボーカルが一番大人っぽいバラード。愛する人を思う
切ない思いを歌った詞になっています。軽くソウル風のアレンジが施されてます。
「Save Me」は前作にあったサウンドテイストに近いかな。ちょっぴりダンサブルなビートも入った
クールなR&Bチューンになってます。ただ、詞に関しては男にもてあそばれて、立ち直れずにいる
女の子の心情をウィスパーボイスを交えて歌った切ないもの。
「Take Me Away」はR.ケリーあたりのステッパーズチューンを思い出させるナンバー。
詞は愛し合う恋人の姿を描いたとても甘い世界を描いてます。
他にも古きよきソウル風の味わいのあるイントロで始まり、歌いまわしも他の曲に比べると
ソウルフルな「Wait」、イントロこそ非常にもの悲しいピアノの音色から始まるものの、本編は
ミステリアスな雰囲気を漂わせつつも結構ダンサブルに展開するR&Bチューン「Is It Me」、
そしてハンドクラップも交えて、さらにダンサブルかつファンキーな「Don't Ask Me To Stay」など、
完成度の高いナンバーが並んでます。
そして「I Can't Give it up」は本作の中では一番R&B色が強く、かつ低音ボーカルが非常にセクシーで
大人っぽい仕上がり。
ボートラの「Frustrated」は強いビートが印象的なナンバー。こちらは低音からハイトーンまでボーカルのテンションを
自在に変えて、メリハリのある構成になってます。もう1曲のヒップホップチューン「Brush’Em Off」もいいし、
ボートラも含めて嫌いな曲がないです。
全体を通して、前作はポップよりのR&Bだったけれども、今回は大人のR&Bに進んだ印象があります。
前作にあったロック色は後退しましたね。
ちなみにアルバムタイトル曲「Beautiful Awakening」はすごく好きです。若干カントリー・ソウル調で、
他の曲とはまた違う雰囲気のナンバーなんだけど、「美しい目覚め」というタイトルどおり、
彼女の中の大人のステップへの成長を感じさせる詞の内容、ボーカルとなってます。
こうしてアルバムを聴き終えると、背伸びすることなく、素直にまっすぐ成長しているなぁということが
なんとなく伝わってきます。彼女の性格のよさみたいなものもわかるし。売れている人なので
額面どおりには受け取れない部分もあるけど、彼女自ら「普通の生活」を望んで行っている
(今作の制作を始める前にはシーフードレストランでウェイトレスのバイトもしてたとか。)
ようなので、そこらへんからも、あまり彼女からセレブ感を感じないのかも。
キャッチーな彼女を望んでた人には若干戸惑いを感じるかもしれないけれども
僕はこの路線、成功だと思います。
- ステイシー・オリコ
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