調子に乗って本日ふたつ目のレビュー。福山雅治の「f」です。

これは彼の8枚目のオリジナルアルバムですね。


彼の場合、今年もリミックスアルバムを出したり、シングル出したりしてるし、

マイペースながらリリースはしている印象なんだけど、

オリジナルアルバムについてはこの「f」以来5年出してないんですね。

ちょっと意外でした。


さて、僕は特に彼の大ファンというわけではないんだけど、

声が好きですね。程よく低く渋い。メロディーも全然最新型じゃなくて、

どっちかというと一昔前のフォークみたいなんだけど、声質ととても合ってる感じがします。

ボーカルに関しても「むちゃうま!」ではないけど、人柄の良さが伝わる感じというか…結構好きです。


アルバムはアコースティックギター一本でジャカジャカはじまる、まさにフォークな「友よ」でスタート。

世知辛い世の中を、心が壊れそうになりながらも、強く生きようとする姿を歌ってます。


続いて「HEAVEN」は力強い男性コーラスが印象的なナンバー。彼自身がキューバを

旅したときにインスパイアされたというメロディーライン。情熱的なラテンロックです。


続く「Venus」は彼には珍しくトロピカル感漂う、ハワイアンソング。そういうこともあって、

低音ボーカルの彼にしてはわりと明るめの雰囲気になってます。


「蜜柑色の夏休み」はほのぼのとしたサウンドに乗せて、少年期の夏休みの思い出を歌ったノスタルジックなナンバー。

この曲ではギターデュオ「山弦」とのセッションをしています。

そして「桜坂」。これはいわずと知れた彼の最大のヒットソング。過ぎた恋をそっと懐かしむような

優しい世界が広がる1曲。派手さはないけれどもじんわりと胸に伝わる趣がありますね。

あと、「Escape」はメロディーがすごく好きです。バンジョーやフィドル、アコーディオンを用いてるんですが、

そういうこともあってロックなんだけど、どこかカントリーソングのようなのどかな雰囲気を

醸し出してます。


そして「HEY!(New Century Mix)」。これは確かテレ朝のシドニー五輪テーマソングだったと思います。

応援歌らしく、前向きな明るさに満ちたナンバーで、とても爽やかな気分になる曲。


「Gang★」はブライアン・セッツァーをほうふつ(というか、かなり意識してるけど)とさせるロカビリーソング。

これはかっこいいですよね。スリリングな早口ボーカルもいいし、程よくエロを意識した詞も、曲調に

うまくマッチしてます。


また、彼にとって、初めて女性とのデュエットとなった「dogi-magi」もいいですね。お相手は「Squall」で

おなじみの松本英子。女の子に振り回される男の様子を歌ったナンバー。


他にも村上''ポンタ''秀一率いる''PONTA BOX''との一発録りによるジャジーな「Blues」、

頑張ってきた人の疲れを癒すような、優しい詞とメロディーの「家路」、

ラストの泉谷しげるのカヴァー(エクストラトラック)まで、

基本的には素朴で土臭いアコースティックサウンドを基調にしたつくりとなっています。

まぁ、デビュー以来一貫してそういうサウンドですけどね。


ただ、そんな「ちょっと古い」サウンドの中で、ちょこっとデジタルサウンドをかじってみたり、

ラテンやロカビリーサウンドを取り入れてみたりと、サウンドの幅が出てきたのが

この時期の作品なんじゃないかなぁ、と思います。


この作品から既に5年が経ち、年齢的にも30代後半を迎えた彼が

次のアルバムでどんな顔を見せてくれるのか楽しみです。


福山雅治, 小原礼, 佐橋佳幸, 重実徹, 富田素弘
f