今回は、間もなく公開される映画「嫌われ松子の一生」のオリジナルサウンドトラックの紹介。

この映画は主人公、川尻松子が教師として順風満帆な人生を送っていた矢先、一人の生徒が起こした

窃盗事件がきっかけで学校をクビになり、その後は男との同棲・死別、不倫、ソープ嬢への転身、つかの間の栄光、殺人…とジェットコースターのように人生を燃やし、最後は孤独に死んでいく彼女の生き様を

描いた小説が原作になっています。


松子を取り巻く人間模様や、彼女の死後に、はじめて彼女のことを知ることになる、甥の笙の目を通して見える、松子の不器用ながらも、必死に愛や生にしがみついて生きようとする姿が、凄く印象的で

一気に原作を読みました。


さてこのアルバムは、その原作をもとに作られた映画で使われた曲を収録したサントラ。

主演の中谷美紀をはじめ、BONNIE PINK、AI、木村カエラをはじめ、人気のアーティストの楽曲を

集めたコンピレーションとして質の高い楽曲が集まってます。原作自体は転落していく人生を

描いたもので、スピーディーではあるものの、決して明るい話ではないのですが、逆に、このサントラではポップな部分もあり、松子の雑草のような生き様をイメージしたような、強い曲ありと、いろいろな側面が

あってとても楽しいものになっています。


収録曲で気になるものをあげると、まず1曲目は木村カエラの「トゥリル トゥリル リカー」で

スタート。これは映画でも冒頭でも流れ、カエラ自身はシンガー役での登場とのこと。この詞の

「あきらめるのはまだ早い」というのが、必死で生きる松子の姿に重なって聴こえるナンバー。


また、主題歌にもなっているBONNIE PINKの「LOVE IS BUBBLE」ではスカのリズムに乗せて、

愛のはかなさをあっけらかんと歌っています。ブラスの音色も効果的に使われてます。


他にもディズニーのメロディーのようなメルヘンチックな及川リンによる「Dream Train」、

その及川とともにAIがコラボした、「愛こそが生きる意味」と歌うR&Bナンバー「What Is A Life」、

Tommy SnyderとYOSHIKAが共演した「Here,Always」など

映画は見ない、という人が買っても十分に楽しめる内容になってます。


また「あの頃はハッ!爆弾」でおなじみの和田アキ子のソウルの名曲「古い日記」、

カナダの人気若手ボーカリストで声が渋いMicheal Bubleの「Feeling Good」、

落ち着いた音色が心地よい、ピアノワルツのBarbara Borraによる「Walking On Springtime」など

映画に出演していないアーティストの楽曲も効果的に使われています。


特にすきなのは、恋することの喜びをめちゃ明るいマーチングバンドのサウンドに乗せて

歌った中谷美紀による「Happy Wednesday」。恋に必死だった松子の姿をどろどろと描くんじゃなくて

とことん能天気に楽しく、ディズニーパレード風に表現してます。


それから「まげてのばして」。これは昔あった子供番組「ロンパールーム」で歌われていたという

歌。子供の湯浅亜美と中谷美紀がそれぞれ歌っているのだけど、それぞれ子供の無邪気さと、

大人になってしまった寂しさ、みたいなものが表れててすごく好き。


そして阿井莉沙の「USO」という曲もいい。これは70年代風の古臭いアイドル歌謡をなぞった

ナンバー。この阿井莉沙という人、全然知らなかったんですけど、調べたら元、dreamに

いた人なんだって。ほー。どーりで可愛い声です。ちょっと上原あずみの「青い青いこの地球に」に

似た感じの曲調とボーカルです。

さらに、中山千夏の「あなたの心に」もいいですね。この曲は以前、辛島美登里がカヴァーしてたので知ってたのですが、たぶん原曲はかなり古い曲だと思うのですが、おおらかで優しい感じがして好きです。


このアルバムについては、作品と連動で聴くともちろんイメージもわきやすいけれど、アルバム単体で見てもいい曲がたくさん入ってるので、すごく気に入ってます。

サントラ, 木村カエラ, ch feat.B-BANDJ, BONNIE PINK, 及川リン, AI & 及川リン, Joe Himeji feat.J.
嫌われ松子の歌たち