今日はJewel(ジュエル)の最新アルバム「Goodbye Alice In Wonderland」の紹介です。
彼女はアラスカ州出身の31歳のシンガー・ソング・ライター。
これが、5枚目のアルバムとなるのですが、実は、アルバム発売前はかなり心配してました。
…というのも3年前に発売された4thアルバム「0304」は、それまでのアコースティックで瑞々しかった
路線から離れて、ダンスミュージックを中心とした、ポップ路線の作品だったから。
ジャケットではおへそなんか出してたっけ? ホントすべてがカラフルでポップなアルバムでした。
まぁ、今となれば、彼女の現状に満足しない、新機軸を求める姿勢に感心して、「あれはあれで良かったのかもね」とも思えるけど、聴いた当初からしばらくは違和感を拭えなかったのも事実だし…。
ちなみに僕は最近までは彼女の3rdアルバム「this way」が好きでした。けれどもこのアルバムを聴いて
久々にアコースティックな彼女が帰ってきたなという感じがしました。彼女にはアコギやシンプルな生バンドの音が似合います。
アルバムは、つまづきながらも、ひとつの愛をなんとか守ろうとする恋人同士のことを歌ったナンバー、
「Again and Again」でスタート。せつなさと、前向きな力強さを併せ持ったような歌声が印象的です。
そして、今回詞が素晴らしいと思うのが、タイトルチューンの「Goodbye Alice In Wonderland」。
つまり、甘えた世界におぼれるのはやめて、自分の足で夢に向かってあるいて行こうという
ことを歌っています。大人になると、夢に向かって生きることは難しいと思ってしまいがちだけど、だからといって現状で妥協したり、空想の世界だけで満足してしまうことのほうが、もっと寂しいことだと歌ってるのだと思います。
確かに「妥協」してしまったら、そこからは何も動かないですからね。すごくわかる詞です。
他にも、心が病んでいるのに、見た目だけ着飾ることを考えることに夢中な現代を皮肉った「Satelite」、
軽快なロックチューン「Only One Too」、彼のことが好きで好きでたまらないということを歌った詞で、
テンション高めのボーカルも可愛い「Words Get in the Way」、心が離れてしまいそうになっても、
やっぱり大切なのはあなただ、ということを思い出すという「Drive To You」、
そして、傷つきやすく、もろいハートを持っている自分を、温かい気持ちで包んで欲しいと歌ういじらしい「Fragile Heart」などストレートな心の模様を、余計な装飾のないシンプルなサウンドに乗せて歌ってくれるので、すっと心に入ってくる気がします。
そして、アルバム後半で一番好きなのが「Stephenville.TX」。明るいカントリー調のナンバーだけど、
ここで歌われているのがジュエル自身の生い立ちを振り返り、自分を見つめなおしているという
内省的なナンバー。この中で印象的なフレーズが「私は31歳 まだ終わりじゃないけど、もちろん
スタート地点でもない」というもの。20代までなら、ある程度の甘えも自由も許されたけれども、
その年代が終わり、自立して生きていかねばならないことをわかった上で、それでも、
30代からでも、前向きな気持ちでいれば、自分自身を変えていくことができるということを歌っています。
非常にポジティブなパワーに満ちた曲で大好きです。
僕はジュエルと同い年なんですが、彼女みたいに賢く力強く前向きに生きたいものです。
他には優しくシンプルなサウンドで、大切な愛について歌った「Where You Are」も好きですね。
アルバム全体を通しても全然派手なことはしてないけれども、きちんと地に足をつけて、自分らしい
世界を表現してくれてるので、じっくりと聴き込めるアルバムになってます。ジャケット写真も
とても綺麗だけど、それはこのアルバムの充実度をそのまま映し出しているように思います。
- ジュエル
- グッバイ・アリス・イン・ワンダーランド