今回は90年代半ば~後半を代表するスーパー・グループSPEEDの

98年にリリースされたベストアルバムの紹介です。

SPEEDに関しては活動期間中は、その才能を十分認めつつも、楽曲のマセガキっぷりも

あって、別にアルバムを買ってまで応援することはなかったんだけど、

こうしてシングル曲を中心に集めたアルバムを聴くと、1曲ごとのパワー、10代の不安定で、

けれども瑞々しい感覚が痛いくらいに表現されていて、伊秩弘将の描き出す

等身大の世界にびっくりし、かつ、それをうまく表現した彼女たちのボーカルパワーに驚かされます。


アルバムは冬の名曲となった「White Love」からスタート。この曲の純粋に人を愛する気持ちを

歌った切ない歌声とあの振り付けは、ずっとこれからも残っていくと思います。この曲の

2番の前の「はぁぁ~っ雪」っていうため息はいつ聴いても名演出。


そのほか「STEADY」、「ALL MY TRUE LOVE」などなど、hiroのハイトーンなボーカル、

それと対を成す今井絵里子の抑えたボーカル、美人の上原多香子ドキドキ、よくわからない魅力の

ダンス天才新垣仁絵、とそれぞれが役割を持って生き生きと表現した魅力ある楽曲が

並んでいます。


一番好きな曲はデビュー曲「Body&Soul」。この曲を聴いたときはホントに驚きました。

確かこの曲がリリースされた頃は、大学3年の夏休みで晴れ、長野県の民宿で住み込みバイトをしていたんですが、有線から流れてきたこの曲の歌声に釘付けになりました。声は子供っぽいのに、

甘えた感じもなく、サウンドもそれまでにはない、黒いノリを持ったダンスナンバーだったから。

黒人コーラスのパワフルなシャウトも入れてますしね。

で、子供にもかかわらず、詞はむっちゃ大人びててちょっとエロイという。誰なんだこれは~って

思ったのを覚えてます。この曲のメインボーカル二人の張り合うようなボーカルの応酬も

楽しいし。


他に好きな曲は、5個も年上の彼と付き合うという設定の文字通り背伸びした「ナマイキ」、

クールなノリのダンスナンバー「Luv Vibration」、ストリングスの音色が美しいバラードで

詞も前向きなナンバー「ALIVE」など。


ただ、彼女らに関してはその人気ぶりに反して、活動期間はかなり短いんですよね。

実質3年くらい(そのあとに一時的な再結成もあったりしたけど)だし。一気に花開いて

旅立って行った感じです。また、初期はあからさまに「性」を意識した曲が多かったのに、

メガヒットを重ねるごとに詞に関しては、おとなしく、普通になってしまった感はあります。


ただR&BやHip-Hopっぽい音楽をお茶の間に普及させた

功績はすごく大きいと思うし、彼女らが出たからこそ、それに続く同じような音楽を志す

シンガーが次々登場したのだと思うし。

まぁ、活動後期にはモー娘。が出てきてアイドル的な人気はとってかわられたし、

また、宇多田ヒカルの登場で、R&Bシーン、というか音楽シーンががらっと変わっちゃった

こともあって、そこらへんもSPEEDの時代の終わりを急がせた要因といえるんでしょうけども、

全然売れなくなってやめた訳ではないし、輝きを失わないうちにすぱっとグループとしての

活動をいったん終わらせたのは、潔かったなと思います。


今聴いても色褪せない、いい曲がいっぱいあるなと思ったベスト盤でした。

SPEED, 伊秩弘将, 水島康貴
MOMENT