今日は昨年の秋にリリースされたこのカヴァーアルバムを紹介しますね。

平原綾香といえば、先週ニューアルバム「4つのL」もリリースされて、

これも買ったのでいつかレビューするかも知れないですが、今のところは

断然こちらのアルバムのほうが好きですね。


このアルバムは、昭和から平成の時代にかけて生まれた、名曲11曲を

彼女の個性的なボーカルでカヴァーしたアルバムになってます。


このアルバムに先駆けてリリースされたシングル「晩夏(ひとりの季節)」はユーミンの

荒井由実時代のカヴァー。平原とユーミンってあんまりつながらないイメージが

あったんですが低音部分の声が、ユーミンの雰囲気に結構似てて

なかなかいい感じ。この曲がアルバムでも1曲目に収録されており、

アルバムのクオリティの高さを予感させる幕開けとなっています。


他にも、もの悲しいギターの音色とパーカッションが印象的な「言葉に出来ない」、

久石譲とのコラボレーションで神聖な感じさえする「いのちの名前」(千と千尋の神隠し主題歌の

カヴァー)、玉置浩二の名バラードのカヴァー「あなたに」など、原曲の魅力をそのままに、

そして彼女の深い声で表現することによって新しい世界を感じさせてくれる仕上がりに

なってます。


好きなのは、なんとサザンのあの名曲をボサノヴァでカヴァーし、それがまた意外に

はまってる「いとしのエリー」、それからとっても美しいアレンジで、澄んだ夜空を

思い起こさせる「Missing」(久保田利伸カヴァー)など。ちなみにアルバム収録曲の

半分以上が男歌のカヴァーです。声的にあってると思います。あと、たまに彼女の

ボーカルって「ブレス」が気になるって人がいますが、デビュー当初に比べれば

だいぶ気にならなくなってるような気が。しかもあのブレスは歌に深みを与えてて

僕はわりと好きです。


そして、一番オススメなのが「なごり雪」。イルカの歌唱でおなじみの不朽の名曲ですが、

これは原曲に負けず劣らずの仕上がりなんじゃないかなぁ。沢田完氏のアレンジ、

吉田隆氏のプロデュースの素晴らしさにも寄ると思うんですけど、この曲はピアノと

ストリングスを最大限に効果的に使い、かなりドラマチックなアレンジになってます。

曲を聴いてると詞の一場面がパーンと浮かぶような感じ。これに応えて平原さんの

ボーカルも非常に繊細で◎。この曲は数多くの人がカヴァーしてますが、

僕の知る限りでは一番の出来かも。ちょっと感動作です。

さらに、続く「翼をください」も非常にいい。これは、今まで彼女のイメージになかった

「ロック」なアレンジになっています。ボーカルもこちらは力強く、聴いてると

パワーをもらえます。この曲のプロデュースは東京事変でもおなじみの亀田誠治氏。


こんな感じでこのアルバムは1曲ごとにプロデューサーが違うんで、平原さんのいろんな面を

うまく引き出せたアルバムだと思います。ちなみに「いとしのエリー」のプロデュースはゴンチチでした。

そして彼女はボーカルスタイルが非常に個性的なので、カヴァーでもしっかりと、平原綾香の

世界が出来上がっていて、とてもいいアルバムだと思いました。

平原綾香, 荒井由実, 松任谷正隆, 小田和正, 佐橋佳幸, 桑田佳祐, ゴンチチ, 菅谷昌弘, 久石譲, 覚和歌子
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