一喝 | 武産合氣道 大和/宮城野合氣修練道場 稽古日誌

武産合氣道 大和/宮城野合氣修練道場 稽古日誌

「神奈川県大和市」及び「仙台市宮城野区」にて岩間スタイル合気道を稽古する「大和/宮城野合氣修練道場」道場長鈴木博之のブログ。IT関連、自動車整備、資格試験、震災関連など、様々な情報を提供しています。

ある日の稽古後の事。


熱心に通っている黒帯君。

去年卒業し,就職したばかりなのだが,業績悪化により失職。

今は職安に通う日々。


稽古に通ってくれるのは嬉しいのだが,いい若いもんが定職も持たずにいつまでもブラブラは感心しない。


私は彼に問うた。


「就職どうすんの?」

「まだ来まらないんです。とりあえず職業訓練校にでも通おうかと」


「職業訓練を受ければ就職はあんの?」

「いや~分かりません」


「失業保険は?職業訓練校を卒業するまでもらえるの?」

「あ~どうなんでしょ。」


これではダメだ。


言いたくはないが,ここは心を鬼にして言わなければ。


「道場に来るならまず,一社会人としてちゃんと自分を確立しないとダメだ。

 『とりあえず訓練校』なんて意識ならば,道場へ来ちゃいけねえ。

 訓練校では一番で卒業する,卒業したら何が何でも就職する,仕事は選ばない。

 この位の意識を持たないとダメだ。

 社会をナメるな。」


私の言葉が伝わったのかは分からないが,彼はうなだれながら帰って行った。


その日の食卓にて,嫁がズバリ言った。


「あの子の事がかわいいから言ったんでしょ?」


全くそのと~り。


熱心に通ってくれている門下生に対して,『道場へ来るな』なんて,道場長である私が言える訳がない。


それでもあえて言わなければならない私のこの気持ちを,家族に理解してもらえたのは救いだった。


日本の景気は最悪で,巷には失業者が溢れているという。


失職中の黒帯君が,晴れ晴れとして畳に上がる日が来ることを願うばかりである。