今年41回目,通算96回目の稽古。
・5年生1名,黒帯2名
・構え,半身,腰
・剣基本素振り
・左右の合わせ
・太刀取り(左右)
合氣の剣は押し斬りである。
大きく振りかぶった剣を,正中線に沿って振り下ろす。
先に両手を振り下ろし,次に右手を押し左手を引く。
こうする事で,剣先が伸びるように前に出る。
この「前に出る」というのが大事。
体の変向は,下がりつつ(開きつつ)前に出るイメージで行う。
剣を振り下ろした形を体術で表現したのが体の変更。
だから最後は両腕がピッと前に出る。
参段(男性)と初段(女性)のペアが合わせの稽古を行った時の事。
初段の女性が受け太刀に回ると,どうしても「前に出る」という気持ちが消えてしまう。
間合いが近すぎるのが原因。
近すぎるから,当たらないように,前に出る気持ちを抑えた動きになってしまう。
これではいけない。
「もっと離れて」
と指示をしてしばらく観察していたが,最後はやはり間合いが近くなってしまう。
よくよく観察していると,離れれば離れるほど,打ち太刀を担当してる参段の男性が大きく前に出ている事が判明。
打ち太刀が大きく前に出る。それは正しい。
間合いが遠ければさらに大きく前に出る。それも正しい。
だが,今それでは困る。
今は初段の女性に「前に出る」という気持ちを学んでもらいたいのだ。
参段の男性に
「受け太刀に「前に出る」気持ちを学んで欲しいから,
打ち太刀は少々控えめに前に出て欲しい。
初段を導いてやって欲しい」
と言った所,ようやく私の意図を理解してくれた。
以降はいい稽古となった。
これまで相手の身体をお借りして稽古してきたが,
それだけではなく,自分の身体を貸して相手に稽古させなければならない。
自分の稽古をするのと同じくらい,相手に稽古させるのである。