自分の稽古をするのと同じくらい,相手に稽古させる | 武産合氣道 大和/宮城野合氣修練道場 稽古日誌

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「神奈川県大和市」及び「仙台市宮城野区」にて岩間スタイル合気道を稽古する「大和/宮城野合氣修練道場」道場長鈴木博之のブログ。IT関連、自動車整備、資格試験、震災関連など、様々な情報を提供しています。

今年41回目,通算96回目の稽古。


・5年生1名,黒帯2名

・構え,半身,腰

・剣基本素振り

・左右の合わせ

・太刀取り(左右)


合氣の剣は押し斬りである。

大きく振りかぶった剣を,正中線に沿って振り下ろす。

先に両手を振り下ろし,次に右手を押し左手を引く。

こうする事で,剣先が伸びるように前に出る。


この「前に出る」というのが大事。


体の変向は,下がりつつ(開きつつ)前に出るイメージで行う。

剣を振り下ろした形を体術で表現したのが体の変更。

だから最後は両腕がピッと前に出る。


参段(男性)と初段(女性)のペアが合わせの稽古を行った時の事。

初段の女性が受け太刀に回ると,どうしても「前に出る」という気持ちが消えてしまう。


間合いが近すぎるのが原因。

近すぎるから,当たらないように,前に出る気持ちを抑えた動きになってしまう。


これではいけない。


「もっと離れて」


と指示をしてしばらく観察していたが,最後はやはり間合いが近くなってしまう。


よくよく観察していると,離れれば離れるほど,打ち太刀を担当してる参段の男性が大きく前に出ている事が判明。


打ち太刀が大きく前に出る。それは正しい。

間合いが遠ければさらに大きく前に出る。それも正しい。

だが,今それでは困る。


今は初段の女性に「前に出る」という気持ちを学んでもらいたいのだ。


参段の男性に


「受け太刀に「前に出る」気持ちを学んで欲しいから,

 打ち太刀は少々控えめに前に出て欲しい。

 初段を導いてやって欲しい」


と言った所,ようやく私の意図を理解してくれた。

以降はいい稽古となった。


これまで相手の身体をお借りして稽古してきたが,

それだけではなく,自分の身体を貸して相手に稽古させなければならない。


自分の稽古をするのと同じくらい,相手に稽古させるのである。