他人を尊重するとは、どういうことなのか

~僕の痛くて苦しい失敗から~

 

今回は、僕の反省文めいたことです。

 

最近、僕は大きな失敗をしました。

 

職場での話です。僕は今の職場に来てから一年弱が経過しようとしています。仕事にも徐々に慣れはじめ、次第にできることが多くなってきました。そんなある日、職場に新人の女性(年齢は僕よりも上)が入りました。僕は彼女と意気投合。たちまち仲良くなりました。お互い打ち解け、話し言葉が敬語からタメ語へと変わっていたんです。僕が仕事を彼女に頼むときは「〇〇さん、これやってもらっていい?」みたいな感じ。僕はそれでいいと思っていたし、むしろ敬語で距離を置くよりはタメ語の方が距離が近くなれる。そのかいあって、彼女は僕に、かなり他人には言えないことも言うようになっていました。そこに、僕は気を許してしまったんです。

 

ある日、彼女は会社に来なくなったんです。最初は体調が悪いのかな程度に考えていたんですが、その次の日も来ない。欠勤理由は「めまい」とのこと。これはいよいよおかしいなと思い、上司に確認したらこんな返事がきました。

 

「君の彼女へのお願いの仕方、話し方に彼女を尊重している感じが全くないんよ。仕事をお願いするときはそれ相応の仕方や話し方がある。そこに彼女は疲れてしまったんだ」と。

 

直後、僕は底知れぬ怒りを感じました。僕がこういう対応しているのはそれ相応の理由があることだし、彼女はそれを分っていないんか、と。

 

その日、僕は上司の方の車で帰りました。そこで彼女のプライベートでの大変なことなど、複雑な事情が重なったことを知りました。その上司いわく、「それはそれ、これはこれ、と人は言うけど、本当はそれもそれ、これもこれなんだよ」と。他人が悩んだり、怒ったりする理由は単独のことは珍しく、それ以外にも複雑な事情があるそうなんです。それを初めて知りました。

 

ただ、それだけでは僕は納得できませんでした。そして二日後、僕は高橋源一郎さんの人生相談の記事をたまたま拝見しました。そこには「本来異なる人間が共に同じ場所で生きてゆく時、守らなければならないことが一つだけあります。それは、お互いをリスペクト(尊重)すること。それだけです。違う世界を生きてきた他人の存在を肯定し、理解し、尊重すること。他には何もありません」(今週の回答 | 噺新聞 (ameblo.jp)さんから引用)と。

 

僕は、徹底的に、他人を尊重できていなかったんだ、他人を尊重しているように見えて、その実、僕のみ尊重していたんだ、そして僕のみ守られればいいんだ、そう思っていたんです。

 

そして他人を尊重することというのは、上司の車の中で聞いたこと、「それもそれ、これもこれ」という他人の事情や背景、その人がどう育ってきたのか、どういう考えのもと人生を歩んできたのか、何に涙を流し、何に喜びを見出してきたのか、そこに思いを寄せることなんだ、そう思ったんです。

 

僕は大いに誤っていたんです。僕は他人を尊重できていなかった、そして尊重することの意味も知らなかった。僕は、大いに反省しました。

 

僕は明日、当人に謝ろうと思います。誠意を込めて、謝ろうと思います。

 

そして、僕は変われます。だって、今まで変われたんだから。明日からまた新しい僕の人生を、歩んでいきます。

 

本当に、ごめんなさい。