市役所駐車場係に、大好きな人がいる。

当該業務を受注している民間警備会社のその人に、メロメロだ。

 

彼を見ながら、

あぁ頑張っているな、

あぁアキレス腱伸ばしてるな、

あれ、上半身動かしてるな、そりゃそうだろう立ったままだからな、

おっ、やっぱいろんな人から挨拶されている、好きなのは俺ばかりじゃないんだな、

と彼を見ながら、私は日々業務に励んできた。

 

時には、

間違って入って来た車を、両手を広げて、身を制して止めたり、

バック誘導する時など、車の真後ろに立って、オーライオーライと誘導しているのを見ると、

おまえ轢かれちゃうぞ!と声を出したくなる。

 

救急車が入ってくると、まぁ大騒ぎだ。

想像出来るでしょ^^。

 

当然ながら、誘導員には代わりの人も、日によっているんだけれど、

あぁそうだよね。誘導員ってこれが普通だし、それで仕方ないと思う。

ぼーっと立ったままの、その人を見て。

 

年度末。

市が駐車場誘導業務の入札を行わない。

つまり、警備会社との契約は今年度末をもって終了する事を知った。

つまり、その彼とはもう会うことが出来ない事を意味する。