対岸の彼女[★★★★] | ひろの日記

対岸の彼女[★★★★]

直木賞受賞ということで手に取った本ですが‥‥女性向けですね。
主婦というなで自宅に縛り付けられ、夫は家庭に興味を示さず、子供は自分の嫌悪すべき部分に似てきてしまっている。そんな人生の希望を失った女性の変化と、グループになじめない女子高生の未来に向かってあがいていく物語が交互に語られていく物語です。2つの物語は現在と過去としてリンクしながら進んでいくんですが、ミステリーにありがちな、ミスディレクションやトリックは一切なく、それぞれの時代の女性の抱える問題を描いています。どちらのお話も普通にありそうな話であり、展開自体はとっぴではないのですがすらすらと読み進めさせることができるのはさすがに直木賞受賞作、作家の手腕ということでしょうか。まあ、登場人物のほとんどが女性ということもあり、正直感情移入までは行きませんでしたが、たまにはこういう物語を読んで、女性についての現代の社会というものを考えるのもよいかなあと感じました。