シャープの下請け業者は、よほど部品を安く買いたたかれたり、無理な納期を強いられたりしたようだ。その恨み骨髄で、聞き取り調査に対して「商売だから付き合ってきたが、(経営危機に陥った今)積極的に取引したいとは思わない」「正直言って、ザマミロ」といった、下請け業者の声にならない声が方々で噴出した。調査会社によると「こうした声は驚くほど多かった」。早い話が、愛されていないのである。

愛されていない以上、取引先が率先して増資の引き受けに回るはずもない。増資交渉も海外勢頼みにならざるを得ず、本格的な資本提携はまとまる様子がない。産業革新機構を中心にトヨタ自動車なども加わり、官民挙げての支援が決まったルネサスエレクトロニクスとは対照的な展開を余儀なくされている。本格的な再建が遅々として進まないのは困ったときの味方を作らずに目先の利益を最優先したツケが回ってきているからではないか。http://eagle-hit.com/