海辺の別荘とspiderの関係は | 建築家 廣部剛司 /日々の断章

海辺の別荘とspiderの関係は

アフターケアのために南房総の『Villa SSK』に伺いました。

風の強いときは直接波しぶきが届くほどに海に接している建築。
それゆえに、様々な工夫をしています。

構造の主たる部分に金属を使わないこと
耐候性の高い金属板を屋根、外壁に採用していること
痩せやすいアルミサッシュを使わないこと…etc

様々な観点から長く保つための設計上の工夫をしています。
それでも、定期的なメンテナンスは美しく保つためにも必要です。

ちょうど、これからハイシーズンを迎えるにあたってのタイミングで
メンテナンスがはいりました。

この日、本当にたまたま非常に天候が良かったので
便利で疲れない147ではなく、長年乗っているspiderで現地に出掛けました。

思えば、このクルマを20代なかばで手に入れて早くも19年。
クルマ自体は1974年式ですから来年40歳になるわけです。

動く部分、金属の耐久性、部品の寿命…
それなりに手はかかりますが、状況をみて更新を続けているおかげで
今でもすこぶる快調に動いてくれます。

ふと、このクルマ越しにこの建築を見たときに
「似ている」と感じて撮影したのがこの1枚です。

ある程度手をかけて、更新が必要なところ
各部を長く保つための細かな工夫…
それが、長い付き合いを可能にしてくれる。

ある意味、建築にとっては過酷とも言える条件ですが
工夫と継続によって、この素晴らしいロケーションを楽しく享受できる。
わざわざこんなクルマを維持していることの意味と
遠からずな感情が湧いたひとときでした。

$建築家 廣部剛司 /日々の断章