今日も、仕事のことを書きます。


「陰部洗浄」 略して 「インセン」と呼んでいます。


陰部洗浄とは、感染を防ぐため清潔にする目的で、洗浄を行うことをいいます。


何を行うときも、いつも声かけをするように心がけています。

特にインセンは、一番デリケートなところ。

言葉を発せられない方にも、羞恥心に配慮して、必ず「ごめんさないね」と声をかけています。


方法

細めのプラスチックのボトル(食器洗剤の中ぐらいの大きさ)に、ぬるま湯を入れ、

先が細くなった口をつけます。(油さし?みたいなもの)


使い捨て手袋を2枚着用します。(汚れたらすぐに一枚ぬげるように)

使い捨てマスクをします。


ボディソープを少量指先にとり、お湯をかけて泡立てながら、

男性、女性、それぞれにあった方法で、局部を洗い流していきます。

そのとき、発疹や発赤などの異常がないか確認します。

(おむつかぶれや真菌による痒みが有る場合は、清潔にしたあと薬を塗ります)


排便があった場合も、きれいに拭き取り、同じようにお湯をかけて

清潔にします。ねっとりして拭き取りにくい場合は、「サニーナ」をティッシュを吹き付けて

取るのが一番効果的だそうです。

排便の状態を観察するのも、大事なことで、

下痢の状態によっては、菌の有無をチェックするのに検査に出します。

菌が出た場合は、飲み薬が処方されて、感染しないように対策します。


オムツ

おむつも種類がいろいろありまして、尿取りパット、パンツタイプ、テープタイプ

下痢用のおむつがあります。(少し高いので、使うことは少ない)

ちなみに紙おむつは持ち込みOKですが、病院のを使用するときは、承諾書を書いて頂きます。

(紙おむつ代はばかにならないです。大きさや用途によって違いますが、大体一枚100円ぐらいします。)

病院(施設)によっては、紙おむつ廃棄料をとられるところもあります。

私の働いている病院ではとられていません。(おむつを必ず新聞紙に包み、黒い袋に入れて、

専用の大きな蓋付き箱に入れておくと、業者さんが持っていってくれるのですが、処理代は高いと聞きました)


オムツのあて方にもコツがあり、講習会があるほどです。

・体格にあったサイズであること。

・漏れを防ぐために、ギャザーを有効に使うこと(たてる)。

・股にフィットさせること

・テープもメーカーによって違いますが、できれば二つに切れていて、交差できて装着しやすいものが良い。

思うこと

家族さんには、よく「大変な仕事ですね」と言われます。

確かに特殊だとは思います。

いわゆる、「下の世話」ということですが、いつもされる側の患者さんは、つらいだろうな・・と思います。


私達が、普段普通に行っている、トイレでの排泄行為

それが、自分でトイレに行けず、ベッド上でのオムツを余儀なくされる。

そんな患者さんのことを思い浮かべると、「普通にできる」ということが、とてもありがたく思います。


という私も、いつ、同じような立場になるかはわかりません。

できるだけ遠い未来のことであってほしいと願いますが・・・。


そのときに、適切な対応をしてもらえるよう、私が関わる患者さんには

自分がやってもらいたいと思う、インセンを心がけます。


参考までに

沖縄のおばあは、昔から新生児のおむつかぶれ予防に、お茶使っていたそうです。

緑茶のカテキン殺菌効果は、インフルエンザ予防などののうがいにも効果がありますが

確かにお茶を使うのは、良いと思います。


赤ちゃんのおむつを替えるときも、ウェッティで拭き取るよりも(特に便の場合)

洗剤の空き容器などにぬるま湯を入れて洗い流すのが一番効果的です。