T大学病院 総合外科A先生


6月の痙攣発作による入院になったが、原因はインスリンの過剰分泌による異常な低血糖状態

食前の血糖値は健康な人であれば70~100位

それが入院時で20

低血糖が続くと意識を失いそのまま死に至る可能性があります。

目安でいけば60以下で発汗や震え

30以下で昏睡


胃酸分泌を促すガストリノーマが、血糖を下げるインスリンを大量放出するインスリノーマに病変したと思われます。

ガストリンを出す腫瘍も残っているが、インスリンをだす腫瘍が優勢になってきた。

病変は大変珍しい というか、T大学病院では初めてです。



細胞を採った組織からグルカゴンとインスリンが出ている。


低血糖対策で糖をたくさん入れるため、CVポートの手術を行い、太い静脈への供給を可能にしました。


インスリン値が30と高くなってきています。

インスリン値が高くなるほど血糖値は下がります。


スーテントで腫瘍の大きさを保っているが、インスリンを出す腫瘍に変わったので、治療法をザノサーに変更します。

本来は通院で治療するものですが、そのまま入院しながら投与して経過をみます。


SASIテストを実施して、インスリンを出してる腫瘍を特定して膵臓もしくは肝臓のどちらか半分を切除します。

SASIテストの結果は膵臓、肝臓全体からインスリンを放出しているため、切除手術はできないことに。

局在がなく肝臓全体からインスリンを出してる症例は初めてです。


当初の診察でザノサーは最終手段と言われてましたが、それをもうやることになってしまうとは…