振り返りブログ最後は、自分の役・淡吾について少しだけ書こうと思います。



淡吾を演じた上で最初にどうするべきか考えたのは「雪斗に対して、複数の想いが絡み合っている」という点でした。考えたと大仰に書いてしまいましたが、僕は人格を分けてしまおうと、稽古当初からスパッと割り切っていました。
つまり心の中が
愛情→50、恨み→50という考え方ではなくて、
ある時は愛情→100、ある時は恨み→100
といった考え方です。概念的なのでざっくりとですがこんな感じ。
少し付随して、雪斗に対して最初から恨みを抱えているようなキャラクターでやりたくない、というエゴもありました。執事は仕事としてだけではなく、やはり雪斗のことが大好きなのだという思いも。


淡吾の行動で1番皆さんに聞かれたのは
盗聴器をしかけて「幹との会話を雪斗に聞かれていることは知っていたのか?」ということでした。
これについては「会話を聞かれていることは知らない」というつもりで演じていました。幹といつも密会をしていた場所に(イメージ的には賢木家の小さな倉庫のような場所)簡潔にいえば、仕掛けたけどテンパっていて、聞かれているなんて頭の片隅にもない、といった状態です。


そして。淡吾くん最大のミステリー。
なぜ「盗聴器を仕掛ける」なんて、まわりくどく、運否天賦に任せるような選択をしたのか…ということですが、これについての僕なりの解釈は「淡吾は自分で考えて行動する経験に乏しかったから」という考えです。
幼い頃より賢木家に仕える有能な執事になるための英才教育。決められたルーティンや、他の人から命令で動くことには長けていても、主体的に動くことに劣っている。

前面に描かれてはいませんが、
殺害計画を立てる→でも怯む→盗聴器をしかける→雪斗の部屋に受信機を置く→殺害計画の一部実行(雪斗を弱らせる)→謎の女の存在に怯む→毒瓶を預かり殺害を再度決意→けどやっぱり渡せない→全てを謝罪する
と、彼自身かなり色んな行動をして迷っています。

何か似た状況の提示としては
中学生の男子が、告白しようと思って好きな子の家の前まで行く。でもビビって帰る。今度は電話番号を調べてみたり、やっぱり無理だったり……というような状況と似ているかと。
恋愛経験が少ないとテンパって、周りから見ればおかしな行動を取っている、ということもきっとありますよね。


そんな淡吾が行動するきっかけとなったのは、やはり幹の存在が大きかったんだろうなと思います。
そして、初めて自ら考え行動したことが
二回目に天国探偵社を訪れたことであり、
盗聴器を仕掛けたこと。だったんじゃないのかなぁ、というのが僕なりの考えです。



以上、僕なりの淡吾の役作りの一部です。
あとは皆さんのご想像にお任せします☺︎

今まであまり自分の役作りについては書いたことはなかったんですが、終演後の面会で聞かれることも多かったので。
それだけ今回のノッキンに皆さんが盛り上がって下さったってことなんだと思います⭐︎


ここまで読んでいただいきありがとうございました。
また次の公演でお会いできるよう精進していきます。本当に本当に、ありがとうございました!


水橋淡吾役
渡辺宏明