大人の悩みと子どもの悩みの一番の違いは「解決策を知っているかどうか」だと思う。

「解決できる力があるか」ではなく、
知っているかどうか。

子どもは自己の悩みを解決する方法を知らない。
だから悩みの中でずっと苦しむ

なんていじらしく、愛おしいのだろう、、
そんな事も自分が大人になったから言えることで、深刻に悩んでいる当人たちからしてみたら只事ではないのですが

「解決」という言葉のニュアンスの中には「悩み自体が風化する」「諦める」「代替を探す」「状況の方が変化する」そういった意味合いも含まれる。
そうした事を経験して人は大人になっていくんだ、と思いました。


最近、青春映画・ドラマを良く観ているからなのか、
こんな事を考えていました。

上記とはまったく違いますが、とてもとても愛おしい青春映画を観ました!!

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『横道世之介』
2013年公開

公開時のキャッチコピーは
「最高に愛しい主人公がやってくる」
「思い出の片隅の真ん中で、彼はいつも笑ってた」
「出会えたことが、うれしくて、可笑しくて、寂しい」
「時々思い出す、懐かしいあの頃、愛おしい人、横道世之介」

良い邦画に出会うと、何で映画館で観なかったんだ!!!と猛烈に後悔します!この心のヒダに触れる感じを映画館で味わいたかった、と…。鑑賞候補にも入ってたのに…

横道世之介という35年間生きた人間の、19歳というたった一年間を切り取った映画

誰かの言葉を借りるなら
「何者でもない人間が、何者かになった時が青春の終わり」
らしいですが、まさにそんな時代の最初の部分
「大人の階段の一歩目」「大人への変化をし始める時期」と言えるのではないでしょうか。

16年経った世之介の周囲の人たち。
つまりは「何者かになってしまった人たち」もっと砕けた言い方をすれば「良い歳した大人」の視点と
世之介19歳、1987年当時「まだ何者でもなかった」彼らの視点から交互に描かれる世之介。
まるで自分も実際に世之介に出会ったことのあるような
彼を知っていたかのような
ノスタルジックな気分に包まれます。

何が起こる分けではないのですが、主人公の世之介がちょっとズレてて、でも本当にいいやつで、愛くるしい!

周りの人たちを優しい幸福感に包み込み、周りの人たちも愛おしく思えてきます。
全員が優しい!!!

世之介、そして世之介ワールドの魅力は上手く言葉で説明できない!ので是非とも映画を観てもらたいなぁと思いますね…。

そして吉高由里子!
吉高さん演じるお嬢様・翔子ちゃんもね
もうー、ぶっ飛んでて
それでもってかわいい(*´д`*)
二人は『蛇にピアス』でも共演してましたが、全く同じ二人に見えません!

てか原作の吉田修一さん『悪人』の作家ですよね?このギャップにも驚きです

最後にひとつだけ
19歳という人生のキラキラした一瞬の時間を切り取った横道世之介。
この映画で語られるのは「その一年間と、世之介35歳のあるひとつの出来事だけです」
その出来事が世之介の16年の空白の時間を想像させて、もう!もう!愛おしい!

愛おしさ100%
幸福度100%
幸せな気持ちになれる素敵な映画でした!!!!!!