GWも終わりだが、過去最高につまらない大型連休を過ごしている。
いや、僕はまだ医療従事者をはじめとする方、あるいはコロナの影響を受けてる人ではないのだから、まだマシな部類だ。
衣食住があるだけいいのだろうが、その点は棚にあげて、やはり



つまらない



と感じた思いは事実であるし、ほかの人たちも「自分より辛い人が」とか言ってないで、口に出してもいいのだと思う
贅沢な悩みであることを自覚して、誰にも配慮しないで、文章を進めていく。


GWは「STAYHOME」が合言葉だった。
この、特に首都圏では一日中家にいよう、というスローガンのもと、様々な取り組みが行われた。
そのひとつが、過去のコンサートの動画配信である。
音楽に助けられている者のひとりとして、こんなありがたいことはなかった。
音楽業界や携わるスタッフの方、大変厳しい状況に置かれているのをとても気にしているが、まずは心からお礼を申し上げたい

動画の配信のラインナップも超豪華であった。
GWに限らなければMr.ChildrenBABYMETALONE OK ROCKも配信していたし、家入レオ、大原櫻子、コブクロ、Superfly、乃木坂46、、、生配信ではなく動画を期間限定でアップしたB'z、BUMP OF CHICKEN、10-FEET、などなど。。
観たい動画が多すぎて、もう何から観ていいのかわからない状態であった。


そう、フェスで誰を見るか計画を立ててるかのようだった。。


こんな具合に、ほとんど毎日と言ってもいいくらい、一日の大半を音楽の動画を見て過ごした。
非常にありがたく、心が躍る時間だったことは間違いない。



ただ、僕がコンサート巡りを趣味にして、いわゆる「ライブ慣れ」「フェス慣れ」をしている身としては、その映像を見るたびに物足りなさを感じてしまうし、さらに言えば将来的なことを展望し虚しさや絶望感にも似た感覚が心に宿るのも事実だ。
普段コンサートにあまり行かない方にはわからないかもしれない。
コンサートに月に4~5回行くのを趣味にしていた、珍しい人の感情なのだから、あまり共感されないことかもしれない。


物足りなさ、というのは言うまでもなく「ライブ会場の空気感」「オーディエンスの一体感」といったものが、自宅のパソコンやスマホの前で全く感じられないことである。
アーティストのMC、客とのやり取り、声援、歌詞をちょっと間違えてはにかんで親近感を覚えることであったり。
「オーオー」のような叫び声であったり、コール&レスポンス、歌を歌わせる、など、アーティストのパフォーマンスに加えてオーディエンスと一緒につくりあげる空気感。
僕は一人で、いわゆる「ぼっち参戦」することが多かったので、そういった環境に身を置いて「一人じゃない」とか「頑張っていこう」と力をもらったことは数知れない。

「ライブ」=「LIVE」

というのは「生きる」との意味もある。
心が擦れていたとしても、ライブに行けば生きている実感がわくのだ、と改めて思っていた。
それはアーティストサイドも同じ気持ちであると思う。


虚しさや絶望感、を何故感じるのか。
それは、コンサートに行き過ぎたがゆえの弊害とも言える
コンサートについては、年に1回行くか行かないかのレベルの人が多いのではと思う。
普通、家族を持ってたり、他の趣味があったりしたら、頻繁に行くものではない。

しかし、僕のように月に複数回、となればコンサートに行くことが日常の、大袈裟ではなく「生きることを実感する」出来事なのだ。
これに行けない、映像でしか見ることができない、というのは楽しいと同時に苦しい思いを抱く

さらに言えば、映像を見ながら、コンサート会場がどのような場所かわかりすぎるがゆえに、今後の展望に明るさがほとんど見えない、と思ってしまうのが、とても苦しい。
今、2020年5月の時点でそもそも「人と会う」こと自体を避けろ、と言われている。
娯楽施設は徐々に自粛は解除していくだろうが、まずは図書館のような公共施設、そして感染者が出なかった映画館、美術館、と続くだろう。

しかし、コンサートはどうか
密集、密閉、密接の「3密」を満たしているうえに、飛沫の嵐なのだから、基本的に声を発しない図書館や映画館等とはわけが違う
「ウィルスが完全に発生しない」もしくはインフルエンザのように「完全な治療法が確立する」、どちらかが達成しなければできるわけがないのではないか。。。
僕はそれが達成されることを激しく望むが、それにはかなりの、月単位ではない年単位の時間を要するだろう。
それまで持たないライブハウスが後を絶たないのが残念ながら懸念され、もうすでに閉店を余儀なくされたライブハウスもあると聞く。
そして、そんな状態を見た若者たちがミュージシャンをはじめとするエンターテインメント業界に夢を描くとは思えず、優秀なエンターテーナーが出てこないという展開も予想される。


そう、そんなことは考えずに、頭をからっぽにして目の前の配信動画を見て楽しんでいれば良かったのだ。
ただしかし、参加して楽しかったライブの映像、楽しそうなライブの映像、これらを見るたびに、



この世界には戻れないかもしれない。。


と、頭をよぎってしまう。
難しく考えすぎる僕の悪い癖だが、前述の通り、コンサートを取り巻く展望は、少なくとも明るくはない、と感じる

ではどうすればいいのか、と思えば、、、

幸せのレベルを落として「コンサートに行かなくても生きてる実感を感じられるようにすること」を目指すのが良いのだろうし、、、

だからこそ動画配信はとてもありがたいのだが。。

僕は無力なので、一リスナーとして見守るしかない。
虚しさは拭えない。拭えないだろうが、虚しさの中で生きざるを得ないことを覚悟し、楽しさを感じるささやかな時間を大切にしようと思う。

 

以上が、僕が音楽配信を見まくって感じてしまった感情のすべてですが、誤解してほしくないのが、ライブできないことへの文句とかではありません。

というか、音楽配信、というとてもありがたいことをしていただいた、関係者の方々には感謝しかないです。。

僕らにできることがあれば、発信していただいたり、窮状を訴えたりしていただければ署名でもなんでもしますし、リスナーの一人として力になりたく思います。

以上、音楽動画配信に浸かった大型連休の終わりに寄せて。