vol.261 2022年1月3日
昨晩はお節にも飽きて汁なし担々麺を食べた。
汁なしと日本では断らなければならないが本家中国では汁なしが当たり前。
最初の考案者は天秤棒担いで売り歩いた行商で麺と具を盛りスープはなかった…というのが そもそもらしい。
日本人好みにスープに麺を入れたスタイルは あの陳建民が編み出したと言うのは前に聞いていたが いわば日本生まれの中華料理という事だ。
先日 四川料理屋さんで食べた酸辣湯麺(サンラータンメンもしくはスーラータンメン)も実は日本生まれだったらしい。酸味と辛味のある独特のスープが酸辣湯としてあったが 東京赤坂の中華料理店でまかないとしてこれに麺を入れて食べていたのが始まりでこれがいつしかメニューにのって定着したらしい。
どちらも日本生まれだけど四川料理屋さんで扱ってるのは面白い。中国人も認める旨さという事か。
自分は麺類が好きでよく食べるが 麺類の起源はどうなのだろうか。漠然と中国人が編み出したのだろうと思っていたが違ったみたいだ。
原料となる小麦の栽培は古代メソポタミアまで遡る。
そのまま食すのに適さない小麦は最初 粥として食べられていたが やがて粉にして練って焼いたものがパンとなり 生地をちぎって茹でて すいとんのようにして食べるようにもなったという。
麺が生まれる始まりだろう。
小麦の生地から様々な形状の食べ方が生まれ 細長く切ったものが麺となっていく。
シルクロードを通じ小麦粉が中国に伝わると中国人は塩水で練って麺を作る方法を編み出す。現代の製麺工程で使う添加物が かん水と呼ばれるのは かん湖(塩湖)の水が由来してるらしい。
なお中国では小麦から作った物を麺 それ以外の穀物から作ったものは粉と使い分けられるらしい。そう言えばビーフンには〝フン〟がついてるな。
小麦粉の起源がメソポタミアだからイタリア(古代ローマ)からヨーロッパへ そして中華圏へと全世界に広まっていったのだろう。
細長い麺だけでなく様々な形状の物も世界各地に存在している。
例えば餃子だがこれも中国人が考え出したと思っていたが
元は遊牧民が中国に伝えたらしい。意外なところで餃子のような料理があると聞いたが これは中国から伝わったのかと思っていたが どうやらそうでもないみたいだ。
まあ焼いて食べるのは日本独自かも知れないが。
日本独自の麺類と言えば うどん 蕎麦がある。
うどんはその昔中国から伝わったと聞いたが日本独自の製法みたいな感じがする。まあ詳しいことは別の機会に調べてみよう。
蕎麦はもともとヒエや粟のように農民が雑穀として 飢饉に備える食料として育てていたらしい。粥や蕎麦がきにして食べていたのだろう。
その頃は中 上流階級の口に入る事はなかった。
それが麺の製法を真似たかあるいは独自の製法として進化したのかは分からないが 今 私達がよく食べる蕎麦切りの形となると庶民が好んで食べる所となった。
蕎麦を食べる国は多くあるみたいだが この蕎麦切りの形は日本独自の文化のようだ。
食一つをとってみても 調べて見ると世界の繋がりと独自の文化が見えてきて面白いな。