vol.64  2020年4月28日
外出禁止を解除し経済活動を再開する時期を見極めるため「抗体検査」が用いられようとしている。
感染者の大半は軽症あるいは無症状である事より感染者数の把握や感染拡大の対策は混乱してきた。
しかし無症状の感染者であっても感染を克服した者は血液検査により抗体を持っている事で確認できる。
この抗体を持っている人の人口に対する割合が高まれば感染は収まっていくという考えがある。いわゆる「集団免疫」という考え方。
例えばアメリカでは無作為抽出で抗体検査を行い経済活動の再開時期を探っているらしい。
しかしこの抗体をもって免疫獲得と判断するのは危険があると警告する者もいる。
「はしか」や「水ぼうそう」は一度感染すると免疫が一生持続する事は知られている。しかしcovid-19は免疫の持続性が解明されていない。現に一度回復し検査で陰性となった者が再び発症し再検査で陽性となる事例もある。covid-19感染に対する体内の免疫反応やその持続性については まだほとんど解明されておらず 全容が明らかになるにはまだ時間を要するという。
何にせよ1ヶ月 2ヶ月といった
月単位での活動再開には疑問があり 年単位で向き合わねばならないとの考えも。
しかし年単位で経済活動を止めるのも無理だろう。
各国 各社によるワクチン開発が盛んに行われ 早いものはすでに臨床検査に着手し年内実用を目指していると聞く。
一方 我が国の治療の現場でも回復者の抗体を利用する試みが行われている。重症患者に回復者の血漿を投与する事で重篤な状態からの回復を目指すらしい。中国 やインドで数例の成功例があるという。
研究者や医療の現場で様々な取り組みが為されている。できる限り早くの克服が待たれる。