vol.7  2020年3月5日
集中治療室にいたのは一週間足らずだったろうか。迫りくる吐き気に抗いつつ 疲れ果てて寝てしまい …夜中に目覚めると今度は眠れずに朝を待っていた。
朝がきて何がどうなる訳でもないのに ただ待ち遠しかった。遅々として進まない時計を眺めていたのを覚えている。
担当医がきて透析の必要があるので首にカテーテルを繋げますとのこと。その場でベッドの上で処置を受ける。
グリグリと首のスジをひっぱられような嫌な感触を経て処置は終わった。思ったより早く済み  終ると右首に大きなクリップみたいなものが付いていた。
ダイアライザーという機械で透析が始まる。2本の管が首のクリップにつけられ自分の血液が機械と繋がるのが見える。
当然 透析中はジッとしてなければならないのだが 時折起こる吐き気に耐えきれず 起きあがろうとしては何度も窘められた。
何度か透析を繰り返すうちに少しずつ吐き気は治まっていき 足のムクミもとれていった。
ダイアライザーがしっかり腎臓の代わりを果たしてくれたのだろう。しかし生身の腎臓はあの大きな機械以上のことをこなしてくれていたのだから恐れ入る。