ここの所チョイノリのバルブガイドの話が続きましたが、
そもそもバルブガイドって何?て事で、
名前のとおりバルブをガイドする筒状の何てことのない部品なんです、
外からは見る事も出来ないし、ヘッドを外してもポートから少し顔を見せる程度で存在の薄い部品なんですが、
実はこのガイド、エンジンに使用している部品の中でも、1,2を競うぐらいの優秀な部品なんです。

バルブガイドを単品で見る機会はあんまり無いと思いますが、ライフル銃の弾みたいな感じの形状ですね、
これをヘッドに圧入して、中にバルブが入る事になります、
ガイドとバルブはもちろん金属で出来ている訳ですが、エンジンが作動している状態ですと、
絶えず早い速度でバルブは上下運動を繰り返します、
金属どうしが摩擦しあうと当然の様に熱が発生しますので何らかの潤滑が必要になって来ます、
通常エンジン内はオイルで潤滑していますが、バルブはオイル環境内のバルブスプリングの周りぐらい
ではオイルの潤滑を受けるのですが、ガイド内にはオイルの潤滑は受けられない、
ステムシールでオイルの進入を止められていますし、ガイドとバルブステムの間にオイルが侵入すると
オイル下がりになり、煙りもくもくになる訳です、
じゃ~何で焼きつきを起こさないの??潤滑は??
そこがバルブガイドの優秀な所なんです、
バルブガイドは(自己潤滑能力)があるんです!
何それ?て事になりますね、ガイドは金属で出来ている、金属の製造方法って聞くと、ドロドロの鉄を
型に入れてドンとプレスして作るって感じを想像しますが、
ガイドの製造方法は焼結合金で粉末冶金製法で作られています、
粉末冶金(ふんまつ やきん)て何??
横文字にすると、パウダード メタルて事になり直訳すると(粉の金属)て感じになります、
訳分からんて感じになりますよね、子供の頃に土を固めて団子を作った覚えありませんか?
土をギュと固めると団子になるあれと同じ考えなんです、
金属の粉を型に入れてギュっと形にするんです、粉と言ってもかなり細かい超微粒子ですが、
粉ですので配合する金属で色んな調合が簡単に出来る訳なんです、硬くしたり軟らかくしたりが、
でも粉を固めただけですと落としただけでパリっと割れるぐらい弱い状態ですので、
焼きを入れるんですが、長いカマボコ型の電気オーブン見たいな炉ですね、
1200℃ぐらいの温度でゆっくり焼いた金属は十分な強度になります、
で!何処が、自己潤滑能力なの??
粉を固めた物でも焼結してドロドロに溶けて硬くなっている訳ではないんです、
金属の粒子と粒子が結合した状態なんですね、これを切断して顕微鏡で見ると、細かい隙間がいっぱい
あるんです(粒子と粒子の隙間)この隙間が一番肝心な物なんです、
この隙間に潤滑材を入れるんです!ただ浸けて置いてもダメですよね、
真空状態で部品に真空圧を掛けるんです、この時真空装置に部品と潤滑材、(鉛)を同時に入れて、
真空圧を掛けると、部品の細かい隙間に潤滑財が浸透して行きます、
なぜ鉛なのかは昔の有鉛ガソリンを考えていただければ何とか理解できる物ですね、
この真空で潤滑財を入れる方法を(真空含浸)と言います、
で、それがど~して、自己潤滑能力なの?
このバルブガイドの母材内に含浸した潤滑材は熱を持つと表面に出てくんです、
ヘッドに組まれて、バルブが上下運動をしだすと、ガイドは自分の中から潤滑材を出して、
自分とバルブを潤滑してるんです、何て賢いヤツ!
ですからバルブガイドは外部からのオイルなどの潤滑を必要としないて平気なんですね、
この金属は他にも色んな物に使われています、
オイルレスベアリングやオイルレスメタルなど、オイルレスメタルは特に幅広く使われています、
家電製品のモーター関係の回転軸には必ず入っています、オイル潤滑出来ないですから、
このメタルの潤滑材は特殊なオイルです、オイル含浸てヤツです、
チョイノリには・・・プーリーの軸に入る内径部に使っていると思いました、
覗くと色の違う金属が見えるはずです銅色と言うか赤っぽいやつ?
あれがオイルレスメタルです自分で自分を潤滑してるんですね、
何だか硬い話で申し訳ありません・・・