兵庫県南部のほぼ中央、加古川市と姫路市に挟まれた高砂市に神さまたちが作ったと言い伝えが残る巨石があります。
これは江戸時代の終わり頃、長崎から観光に訪れたシーボルトがスケッチした「石の宝殿」です。
立方体に近い形に切り出された石の一辺に突起が付いており、このトンガリを上に来るよう90度起こせば家に見えることから、宝殿と呼ばれていますが…この石の塊そのものが推定500トンほどであるため、人の力で動かすのは不可能です。
図面にすると高さ5.7メートル、幅6.5メートル、奥行き7メートルほど。自然にできた形とはとうてい考えられないものです。
巨石を祀っている「生石(おうしこ)神社」です。
社殿をくぐり抜けた向こうに岩肌が見えます。
実際に目の前に立つと、あまりの巨大さに圧倒されます。とても写真では伝えきれません!
下はこんな感じ…なんと!宙に浮いてる?
…ということはありません。石を切り出す際に底の部分をえぐり込むように削られていて、下がくびれているので人の目線からは「浮石」に見えます。
もともとの岩と削り出された部分に、人が1人通れるほどの隙間があり、周回できます。
底には水が溜まり、鯉や金魚などもいるようです。
中央部には縦にくびれが作ってあります。岩の上にも土が積もり、植物が生えています。
神社の入り口から一番奥にあたる面に突起があります。先が欠けてしまったようですが、元々もっと鋭かったのでしょうか?
ぐるりと一周してきました。このあたりは造作が大雑把に見えます。
外からもう一度みてみましょう。社殿の外側から階段を登って、裏山に登ることが出来ます。
階段はただ石を平らに削って作られています。
ここは山全体が巨大な一枚岩なのでしょう。オーストラリアにあるウルルやエアーズロックと呼ばれる、愛を叫びたくなる世界の中心と似てるようです。
真横から見える高さまで来ました。ようやくイラストで見た全体像と一致しました。

2に続きます。