明治初期、日本に12年間滞在したスコットランド人の商人、ノーマン・マクレオドは、1878年に「日本古代史の縮図」という、ヨーロッパ人に向けた日本の観光ガイドとなる挿し絵本を英語で出版しています。
スコットランドは大英帝国の一部であり、前回の記事に載せたライオンとユニコーンの紋章をよく知っていました。
それと非常によく似た図柄が天皇家の紋章であると説明し、そのスケッチを載せています。
現物を見ることができないため、これが本物であるとの裏付けはとれませんが、著者はこの他にも多数のスケッチ(おそらく、一度写真に撮ったものをベースに、厳密に細部まで思い起こしながら模写し直す)を残しており、実在する建造物や調度品、風景などもかなり忠実に描いているため、この絵も勝手な思いつきでテキトーに書いたものとも思えません。
スコットランドと同じく、向かって右側にライオン、左側にユニコーンがいて、中央の盾を支えています。
盾には天皇家の紋章である16弁の菊花紋が大きく配置され、まわりに12頭の獅子が配置されています。そのうち4頭は菊花紋を守るように近くに居て、ほかの8頭は囲いの中に入っています。
12部族のうち、特に4部族がより天皇家の近くで役割を果たす、という意味でしょうか。
古代京都御所の門はこのようなものだったと別のスケッチも残しています。
同じ京都市内の西本願寺・唐門といわれるものも、似たデザインが残っています。
下には五七の桐と言われる政権のシンボルが描かれた帯が土台となって支えているように見えます。
そして盾の上にあるのは天皇家の正式な冠だそうです。縦に伸びた長丸型の曲線を基調にするデザインは、シナイ山の山頂の型を連想させます。

背景にはダビデの星と言われる六芒星の意匠も読み取れます。
さらに枠の外側、いちばん下にある七つの房は、幕屋の中に置かれた七つに枝分かれした燭台、メノラーを思い起こさせます。

マクレオドは祇園祭りについても記録しています。
ソロモン王がシェバの女王と贈り物を交わしあった様子を再現したような行事があったとか。
山車に12頭の動物たちがデザインされたものがあったとも書いています。
また3種の神器についても、八咫鏡は八花鏡、八尺勾玉は壺に見えるものだったようです。そして草薙の剣も杖に見えるデザイン。
正月の風習も過ぎ越しと共通すると解説しています。
さらに罪人を処刑する磔刑(はりつけ)の様子。イエスキリストもこのやり方で処刑されたのでしょうか。
農村風景についても、山全体の斜面を段々畑や棚田に活用するところもイスラエルに似ていると観察しています。

私もクルマを運転しながら見る風景や、お祭りや神社を見学するたびにイスラエルの影響を感じます。
150年前のノーマン・マクレオドだけでなく、今もまじめに聖書を読んでいる人であれば、似たような印象を受けるのでしょう。