聖書では12にちなんだものが数多く出てきます。
とりわけイスラエル12部族とイエスキリストの選んだ12使徒が有名でしょう。
12個1ダースという括りでお菓子や小物雑貨が売られていることが多くあります。10個にすればわかりやすいのに、なぜ12個なのか?
幼い頃に親に質問したところ「12は2でも3でも4でも割り切れるから、家族の中で分け合うのに便利」と納得のゆく回答がされました。
なるほど、確かにイスラエル12部族は3部族ずつ4つの方角にわかれて宿営を張ってましたし、イエスキリストも弟子たちを2人ずつ、6組にして戸別伝道に遣わしたと書いてあります。
カレンダーも12か月で、ほぼ3ヶ月ずつ、4つの季節がありますし、星占いの12星座も同じです。
日本では…と思い浮かんで来るのが十二支(干支・えと)です。
大陸由来とも言われる十二支は古くから日本文化に根付いており、年を数えるだけでなく占いにも、時刻にも、方角にも使われていました。
どんな基準で、どう配置されたかわからない動物たちですが、やはり神さまに仕える精霊であるとの言われもあり、それらを祀る神社も存在します。
神社のあるところには聖書あり。
いつものポリシーで考察してみたいのでお付き合いいただければ幸いです。

十二支にまつわる様々なエピソードが伝わっていますが、その中でもいちばん知られているのはネコの件ではないでしょうか。
神さまから動物たちに、十二支を決める選抜レースを開催するという呼びかけがあるのですが、ネズミはライバルを減らすためにネコに嘘の日付けを伝え、ネコはレースに参加できず十二支から漏れてしまった。そのことを恨みに抱きネコは今でもネズミを追い回している、とオチが付きます。
ここで注目すべきは「一応12とされているが、実はもうひとつ隠されちゃった」という点です。

ご察しの通り、イスラエル12部族も、ヨセフ族がわかれてマナセとエフライム2部族確保し、レビ族が省かれるという、不自然な背景があります。
イエスの12使徒もユダイスカリオテが裏切り、かわりにマッテヤがくじ引きによって補充されました。これもちょっと、不自然な香りがします。

現在のカレンダーはでは1年が約365.24日で12か月で当たり前ですが、月の満ち欠けを優先する太陰暦が一般だった江戸時代までは、29日と30日の月を6回ずつおいて1年を354日とし、3年おきに季節ののズレを修正する「閏月(うるうづき)」という13番目の月を割り込ませていました。

さらに星占いの12星座ですが、これは太陽や月が通るゾーンにあたる「黄道帯(こうどうたい)」に、ほぼ等間隔で存在する12の星座がそれにあたります。が、星座が制定されたエジプトやバビロニア時代から3000年以上経つうちに地球の自転軸がわずかにズレ、黄道帯にかかる「へびつかい座」も13番目に加えるべきだという論争もあります。

こじ付けにも聞こえそうですが、十二支でいうネズミさん、いろいろ嫌われてそうな理由を次の記事で深掘りしてゆきます。