前回の記事では、僕たち夫婦がどんな基準で不妊治療のクリニックを選んだのかを書きました。
今回はその続きとして、「逆に、どんな点で悩み、どんな理由で選ばなかったのか」、そして男性側の視点だからこそ考えたことについて、少し正直に書いてみたいと思います。
前回も触れましたが、 病院選びで“決め手にならなかった”ポイント正直に言うと、条件だけを並べれば「良さそう」に見えるクリニックはいくつもありました。
治療実績が豊富で、最新の設備があり、有名で、口コミの評価も高い。
けれど、いざ話を聞いてみると、説明が専門用語ばかりで理解しづらい、こちらが質問する余地があまりない、 治療の流れが最初から決め打ちされているように感じる、そんな違和感を覚えることもありました。
もちろん、それが「悪いクリニック」というわけではありません。
ただ、長く通う場所として、自分たちが安心して向き合えるかと考えたとき、少し引っかかってしまった。
数字や実績がどれだけ立派でも、納得できないまま治療が進むのは、きっと「心が持たない。」
そう感じたクリニックは、最終的に候補から外しました。
もうひとつ、かなり悩んだのが「医師の性別」でした。
妻自身が「男性医師は嫌だ」と言ったわけではありません。
むしろ、特に気にしていない様子でした。
それでも、夫である僕の中には、「妻の身体を診察する医師は、できれば女性医師の方がいいのではないか」という感情が、ずっと引っかかっていました。
正直に言えば、それは理屈ではなく、かなり感情的なものだったと思います。
自分が診察を受けるなら、医師の性別なんて気にしない。
でも、妻のこととなると話は別でした。
診察台に上がる妻の姿を想像したとき、どこかで「守りたい」「できるだけ負担を減らしたい」「男性医師に診られるのが嫌」という様々な気持ちが強く出てきてしまう。
もしかすると、妻にとっては余計なお世話かもしれないし、自分の価値観を押し付けているだけかもしれない。
そんな自覚もありました。
それでも、不妊治療は、どうしても女性の身体的・精神的負担が大きくなりがちです。
検査も治療も、主役はどうしても妻になる。
医師が良からぬことをすることは無いのは分かっているつもりですが、ニュースなどでも報じられらような医師も世の中にはいるのは事実。
だからこそ、「せめて安心できる環境で受けてほしい」「余計なストレスは少しでも減らしたい」そんな思いが、医師の性別へのこだわりとして表れていたのだと思います。
ただ、 一方で、現実的な問題もありました。
女性医師が在籍している不妊治療クリニックは、決して多くありませんし、必ず女性医師を指名出来るとも限らない。
その条件を最優先にすると、選べるクリニックは一気に限られてしまいます。
結果として、通院の選択肢が狭まる、治療開始が遅れる可能性がある、いわば“機会損失”につながるかもしれない、そんな不安も現実味を帯びてきました。
理想を優先することで、今度は別の負担を妻に背負わせてしまうかもしれない。
そう考えると、「自分の気持ちをどこまで通すべきか」これは、夫として非常に悩ましいポイントでした。
最終的には、医師の性別だけで判断するのではなく、説明の丁寧さ、質問しやすい雰囲気、妻自身が安心できるかどうか、そうした点を含めて総合的に考える、という結論に至りました。
完璧な答えが出たわけではありません。
ただ、この迷いそのものが、「妊活にどう向き合いたいか」を夫婦で考える大事な時間だったように思います。
そして、 僕たちにとって大きな条件だったのが、夫である僕がクリニックに付き添えるかどうかです。
実際、クリニックによっては初診は女性のみだったり、診察室への同席は不可や男性は説明の場に参加できないといったケースもありました。
女性がメインたとなりセンシティブな事柄でもあるからルールとしては理解できますし、理由もあると思います。
ただ、僕たちにとって妊活は「妻だけが通うもの」ではありませんでした。
検査や治療の説明を一緒に聞き、不安や選択をその場で共有したい。
どちらか一方だけが情報を抱える状態にはしたくなかった。
だからこそ、「二人で向き合える環境かどうか」これは、どうしても譲れない条件でした。
自分たちなりの優先順位を決めるということを振り返ってみると、病院選びは「正解を探す作業」ではなかったように思います。
実績、設備、口コミ、医師の性別、通いやすさ、付き添いの可否。
どれも大切で、どれか一つが絶対に正しいわけでもありません。
だからこそ、自分たち夫婦が何を一番大事にしたいのか、そこを言葉にして、共有することが何より重要でした。
前回の記事で書いたように、最終的に僕たちが選んだのは「ここなら、自分たちのペースで続けられそうだ」と思えた場所。
それは、選ばなかった理由を一つずつ整理した先に、自然と見えてきた答えだった気がします。
これからクリニック選びをする方にとって、この迷いの過程も、少しでも参考になれば嬉しいです。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。