ネット検索の限界-なぜFacebookがGoogleと競合するのか
1980年代の最後にインターネットが開発され、それ以来、今もなお、欲しい情報をどうやって取得するかが最大のテーマだと思います。
私の記憶に残っていることを振り返りながら考えたいと思います。
私が初めてインターネットに触れた1990年代は、リンク集が主流だったと思います。
よく、おすすめのホームページへのリンクをコメント付きで紹介していました。
リンクを次から次へと乗り換えながらいろいろなホームページを見て楽しんでいました。
いうまでもありませんが、一応。。。これは、波乗りのような行為なので、ネットサーフィンと呼びますね。
私も自身のホームページを持っていましたから、「いいな」と思うホームページを見つけては管理者にメールして、リンクを自分のホームページに掲載していました。そこでちょっとした交流もありました。
大規模なリンク集を持つサイトも直にできましたね。
ディレクトリサーチというものです。
しかし、ネットの情報量が急増しほとんどギブアップ状態に。
その後、1990年代後半は検索サイトが雨後の竹の子のように出現しました。
検索アルゴリズムは結構単純で、インデックスに新しく追加されたものが検索結果の上位に表示されたのを覚えています。また、ページ数の多いサイトが検索結果ページを独占することも珍しくありませんでした。
私のMCP体験と予備テストが主なコンテンツだったホームページも、一時期、MSNの検索結果の上位3ページ分くらいを独占していました。
そういうこともあって、雑誌の取材を2回受けました。
2000年に入ると、検索サイトも徐々に淘汰が進み、良質な情報を上位表示する検索サイトが勢いを増しました。
特にGoogleです。結構、欲しい情報が上位表示され、便利さに驚いたのを覚えています。
同時に「ネットサーフィン」という言葉が合わなくなってきました。
しかし、Googleのシェアが増えるとともに、SEOが発達しました。
SEOの発達は、必ずしも良質な情報が検索結果上位に表示されないようになりました。
検索結果の魅力が低下するとともに、衰退しかけたディレクトリサーチがポコポコとまた存在感を高めていました。また、はてな とか、OKWaveなど、人力検索なるものも出てきました。
つまり、これは、「情報の取得はコンピュータ(検索エンジン)には頼れない、やっぱり人だ」という流れです。
SEOにより検索エンジンは価値を下げられ続けていました。それに抗い検索エンジンの価値を高めるためには、多額の資金が必要で、結局、日本のYahoo!は検索エンジンの開発を断念するに至り、Googleの検索エンジンを使うことになりました。
ユーザーにしても、実は検索には技術が必要で、検索結果の見極めにも経験と勘が必要でした。
誰もがこれらの技術や経験を持ち合わせているわけではなかったので、自分と同じ目線で書かれた情報に価値がシフトすることになりました。
もう一つ、検索という行為は、断片的にでも知っている情報しか取得できません。まったく未知の情報はそもそも検索するに至りません。しかし友達は思いもよらぬ情報を提供してくれます。
2000年代後半にはブログやSNSが台頭。これらの魅力はやはり「口コミ」じゃないでしょうか。
ブログで商品の紹介をしたことがきっかけで、飛ぶように売れるケースが見受けられ、「情報の取得はコンピュータ(検索エンジン)には頼れない、やっぱり人だ」という流れが強化されます。
しかし、ブロガーと呼ばれる人たちは企業と提携し、口コミを「作る」ようになりました。すると、ブロガーの口コミの信頼性が低下し、友人知人の口コミがもっとも信頼できる情報源、ということになりました。そしてSNSへと人の流れは向かい始めたわけです。
象徴的な出来事は、2010年3月第2週に、FacebookへのトラフィックがGoogleを抜いたことです。
Googleのシェアが横ばいなのに対して、Facebookは右肩上がりで上昇し続けました。
「友人知人の口コミ」というのは、インターネットが出現する前の状況に似ています。
大きな違いは、時間と場所を超えて友人知人の声を聞けることです。
これはもともとインターネットの大きな特徴の1つです。
Facebookはソーシャルプラグインと呼ばれる「いいね!」を開発したことで、ユーザーへ新たな情報取得手段を提供できる見込みもあります。
これは明らかにGoogleにとって脅威です。そういうこともあって、GoogleのGmailに登録されたメールアドレスを使ってFacebookにユーザーをを取り込む機能があったのですが、Googleはそれを阻止しています。
2010年代は、FacebookとGoogleの戦いになるでしょうが、「情報取得」という点ではFacebookが一歩先を行っています。
日本のYahoo!が検索エンジンの開発を辞めたのも、実はその限界を察してのことだと思います。これからは検索エンジンでは価値を提供できないという判断です。
検索エンジンは、「情報を見つける」ことはできますが、「情報を創造する」ことはできません。
信頼のおける情報の取得を背景に、情報の創造、価値の創造、思い付き、アイデアといったことが次のメインテーマになりつつあるように思います。