『父親たちの星条旗』
クリント・イーストウッド監督の『父親たちの星条旗』。
第二次世界大戦時(1944年)のアメリカを描いたストーリーを通して、父親が戦後から持ちつづけた苦しみと後悔を描いている。
老いて死を前にした父親がその息子に対して「私はお前にとっていい父親ではなかったかもしれない。」と言い残す。
ここで私はすべての父親が持つある種の苦悩ではないかと思った。子にとって誰もがいい父親であろうとするが、きっと到達できないのかもしれない。
子は親の心知らずでいい父親だとはなかなか思えない。しかし年を重ねることで、また自らも子を持つことで次第に自分の父親のことを理解できるようになる。
私は父のことをきちんと理解していないかもしれない、理解している部分があっても「理解していますよ」ときちんと表現できていないかもしれない、私は我が子から理解されないかもしれない。
そんなことを考えた。
- ジェームズ・ブラッドレー, 大島 英美
- 父親たちの星条旗