理由をつけて、会うことを決めた私達。

2度目に会う彼。


外は暗かったので、今度はしっかり彼の顔を見ることができた。


恥ずかしそうな彼が愛おしくて。

とても遠慮がちに抱きしめてくれた彼が、とても愛おしくて。


たった10分。


この2度目の再会が、私を引き返せなくさせてしまった。


この年になって、何を言ってるんだと責める自分。

家庭はどうするの。

親になんて言うの。

親戚にどんな顔してこれから接するの。

夫と上手くいってなくても、息子達の父親はあの人だけ。

気の迷いだ。




それでも。

彼に会いたい。
悲しい出来事に取り囲まれてしまっている彼を助けたい。
どうにもならない事情でもがいてる彼を私が引き上げてあげたい。

私に触れてくれたあの手をとって、どこまでも逃げ出したかった。

恐ろしい事に、何もかも捨ててしまいたいとさえ思ってしまった。

気持ちが落ち着かなくて、仕事も手につかなくて。

息子達の顔を見れば、涙が止まらなくて。
夫との言い合いはエスカレートして。



息子達に食事を用意する事はできたけれど、私は食事が出来なくなってしまった。


一週間で6キロも痩せてしまって、元々そんなにふっくらしてなかったので、げっそり。
流石に近所の人にも心配されてしまった。


夫は、私の変化には気づかない。



ある晩、夫を眺めてて思った。


この人と一緒のお墓には入りたくない……




夫に離婚を切り出した。