多分記事には書かれない最近の巨人戦での些細な出来事 | あくまでも私の持論なんですが

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私のプロ野球観戦はもっぱらテレビだ。

球場で応援する雰囲気も決して嫌いな訳では無いが、テレビ観戦でしかわからない配球の妙であったり、解説者の話の中に野球の奥深さを知るきっかけになる事もあり、それがなかなか面白いのだ。

そのような視点でじっくり見ていると記事にもならないし解説者も語らない様な些細な出来事が妙に気になったりひとりで感心したりしている。

今回はそんな気になった些細な出来事に触れてみたい。


最近の巨人戦で記憶に残った出来事が8月22日のヤクルト戦だ。

今年の巨人は先発がダメな時にはよく打って点の取り合いになる反面、先発の出来が良い時には全く打てない展開が多いのだが、今年の山崎伊織の先発時は見事な位に援護がなく、よく我慢して投げていると思う。

確かに良い時と悪い時の波が激しいとはいえ、良い時の内容を考えればもう少し勝っていてもおかしくない出来だと思うのだ。


この日の山崎伊織も5回まで無得点で頑張っていたのだが、巨人も例によって全く打てず僅かなチャンスを辛うじてものにした1点のみという展開だった。

そうして1−0で迎えた6回表ヤクルト攻撃の場面だ。

ヒットで繋いだ一死1,3塁の状況で、2番中村 悠平は初球スクイズを決めて同点に追いつく。

ここでピッチャー前に転がった球を山崎は体勢を崩しながらホームに投げ、結果オールセーフになってしまうのである。


確かに微妙なタイミングではあったが、無理な体勢だった事もありここは1塁に投げるべきだったとは思う。だが1点差な上、次の1点を味方が取ってくれるとは思えなかったのだろう。無理をしてバックホームに賭けた山崎の気持ちはすごく良く分かるのだ。


まあここまではまだ仕方がない。だがここで一死1,2塁になった事が次の展開に大きく影響する事になる。

その後山田をフライアウトで二死になった場面で四番村上を迎えるのである。


はっきり言ってこの時の山崎のピッチングは素晴らしかった。内角を混ぜながら外角のボール球で誘いつつ、3−2のカウントで投じた内角低めの真っ直ぐは見事に村上の意表を突き、同点のままチェンジとなるはずだった。


だが、審判の手は上がらず、まさかのボール判定で満塁とされてしまうのである。


まあ、こういう事は良くあることだ。テレビでは少し斜めから見ることもあってコースに関しては分かり難い事もある。だが、東京ドームの日テレの中継では自由視点映像によるリプレイがあるのだ。

直後のリプレイでのキャッチャー視点での映像では見事に内角低めいっぱいに決まっており、やはりこの日の山崎は素晴らしかったのだ。


でも、まあ、こういう事は良くあることなのだ。

別に審判の誤審だ等と騒ぎ立てるつもりは毛頭ない。やはり審判によって低めを取ったり内角に厳しかったりといった差はあるわけだし、こういった所が審判が人間である事の面白さでもあるのだ。


私が言いたかったのはこういう場面、局面での渾身の一球がボール判定されてしまう今年の山崎伊織のツキの無さが出たなあ、という一幕なのである。


結局、その後タイムリーで4失点し、残った評価は山崎伊織は6回を持ちこたえられなかった、というものだ。

確かに数字で見ればその通りなのだが、そのような評価ではあまりにも可哀想な山崎伊織の力投だったのである。


皮肉なことに、山崎の降板後の巨人は猛攻の結果8−4で快勝した。

これを負けのつかなかった山崎の幸運ととるのか、それとも降板するまで点をとってもらえなかった不運ととるのか微妙なところだ。


この試合でもうひとつ、同じく6回裏巨人の攻撃の場面で興味深い事があった。


状況は二死1,2塁、二塁ランナーが丸佳浩、一塁ランナーがブリンソン、打者大城卓三の場面で、大城の当たりはセンター前ヒットとなる。

丸は三塁を周りホームに返ってくるのだが、センター山崎の返球が滑り込んだ丸の身体に当たりセーフになった上、更に当たった球がフィールド外に出てしまったために二塁を周ったばかりのブリンソンまでホームインが認められるという珍事が起こったのである。


審判の説明ではセンターの山崎が送球した時点で二塁を周っていたため、ブリンソンは三塁ランナー扱いとなりテイクワンベースでホームインという事だった。

皆が呆気に取られた感の得点だったが、記録としてはセンター山崎の悪送球という事になったらしい。


だが、実際の送球はそれ程悪い球ではなかったと思う。

ほぼホームベース上で捕手中村の正面であったし、タイミング的にセーフだったとは思うが微妙なところだったので、アウトにできれば山崎のファインプレーになるはずだった。


私が注目したのは、捕手中村と返球された球の間に割り込む形で丸がスライディングしてきた事である。


中村がどの位置にいたのかはテレビでは解らなかったが、恐らくほぼライン上にいたのではなかっただろうか。

コリジョンルール的にはどうかとも思ったが、通常ならばタッチを避けるために捕手の後ろ側を滑り込むのが普通である。


勿論中村の位置が悪かったと言われればそれまでだが、結果として丸は中村の捕球を邪魔する形でセーフになり、更には球をそらすことで追加点までもぎ取った事になるのだ。

まさかそのようなタイミングで滑り込む場面などそうそうあるわけ無いし、ましてや捕手の位置によっては前をスライディングなど出来なかったのだから単なる偶然の可能性は高い。


だが、実は私は丸ならば意図して前側をスライディングする位の事はするのではないかと思っている。

滑り込むタイミングはともかく、中村の前を身体を目一杯伸ばした形で通った姿に意図したものを感じたのだ。


言い方は悪いが時々丸はいやらしいプレイをすることがある。


例えばランナーのいる場面でセンター方向に強い打球が飛んだ時、落下点に入ったかのように構えていた丸が、突然くるりと後ろを向いたかと思えば実はフェンス直撃の当たりだったという場面を見たことがある人もいるのではないだろうか。

これは凡フライだと思わせてランナーが走らない様にする為の丸の頭脳プレイだ。

明らかにヒットだと判れば当然ランナーは躊躇せず走る。フェンス直撃ならば一塁ランナーがホームに帰ってくる事も充分あり得る。

だが落下点で待ち構えている野手がいればそれ程伸びがないのか?と一瞬スタートを遅らせる事ができるのだ。

まあ打球の勢いでバレバレの場合もあるし、それがホームランになってしまえば意味は無いのだが、いつもそういう事を意識している丸のいやらしさと凄さを感じるのである。


ただ、それだけなら別にいやらしいというほどではないのでは?と思うだろう。


私が以前感心したのが丸が二塁ランナーだった場面で、ショート正面の打球が飛んできた時にショートの前にタイミング良く入り、守備の視界から球を見えない様にしてエラーを誘ったのである。

私の見る限り、その時の丸は明らかにタイミングを測っており、しかも打球を正面に見ながら走りを緩め、絶妙にショートの前を通り過ぎていったのだ。


勿論、それが意図したものかどうかは丸のみぞ知るところではあるが、だがそういったプレイもまた野球ならではであるし、野球脳が発達している選手の裏技的なプレイは見ていて非常に面白い。そもそもそのような状況になったとして咄嗟に判断して実行し、しかも成功させるというのは凄いことなのである。


今回の件も実際狙ったかどうかはともかく、久し振りにちょいワルな丸と、この得点が逆転勝ちのきっかけになったということで印象深いシーンだったのである。