あくまでも私の持論なんですが

あくまでも私の持論なんですが

ここに挙げるテーマについての専門的な知識があるわけではありません。
あくまでも私の個人的な見解を好き勝手に語るブログです。
文中敬称は省略させていただきます

  2,000km乗っていて感じた事


2025年型のFORZA(MF17)に乗り始めてから大体2カ月程で2000km突破した。
慣らし運転も終わり様々な走りをする中で試乗の時とは印象が変わったこともあるので気づいたことについて触れておきたい。

  もう一度全体を見直してみる

試乗の際の印象では中途半端であまり好みではなかったデザインだが、当初とは大分イメージが変わって来た。
正直、やはりカウルのミラーの主張が強く、奥さんにもカタツムリだのカネゴンだのと言われる始末であるが、全体にマットブラックの落ち着いた雰囲気は慣れると安心感がある。

そして試乗の時は昼間だったので気付かなかったのだが、夜になるとその表情とイメージが一変するのだ。
LEDのラインとメインのライトが暗闇で特徴的に輝き、こちらを睨みつける様な雰囲気を醸し出している。初代FORZAに感じていた尖ったイメージを感じるのである。



  毎日乗って感じた事

試乗した時に最初に感じたのはそのシート高だったのだが、足付き性は予想していた程悪くは無く、重心自体は比較的低かった事もあって意外な程早く慣れた。
FORZAの特徴として腰をしっかりとホールドするシート形状はMF17でも継承されており、しかも以前程にはガッチリ腰を押さえるような深い形状ではないので腰の自由度は増している。それもあってか足の付きやすい位置を探りやすくなっており、その点も足付き性を向上している要因なのだろう。

そしてそれを含めた取り回しやすさを支えているのがその車重の軽さだ。
カタログデータ上ではあるが以前のMF10では201kgだった重量がMF17では186kgまでスリム化し、その軽快感は操作性の向上に非常に貢献している。
乗っているとまるで空気のパンパンに詰まったタイヤの様なサスペンションの硬さを感じるのだが、これは恐らく車体の軽さもあっての事だろう。

パワー感もあり、更に車体が軽いので加速するのに負荷をあまり感じない。スロットルを全開にしてもそれを抑制するような挙動は相変わらずだが、逆に無理に開けなくとも自然に加速するので気が付くと80km/hを超えそうになるのだ。

ただ、そのアクセル操作に関しては稀にこちらの意図とは微妙にズレる様な違和感を感じる事がある。
これはSマチックの特性として無段階ではなく負荷に応じて自動でギアチェンジするからなのだが、アクセルを維持していても一瞬力が抜けたり、逆に急にギアが変わって加速したりする感触があるのだ。勿論急加速や制動が係るような危険を感じるものでは無いのでそこは安心してもらいたいが、以前のMF10ではS7モード(スポーツモードの更にハードな7速自動切替)の時にのみ感じた感触だ。
ノーマルモードの際には感じた事が無かったので今回の普段使いで感じたのには最初驚いたがこれは単純に慣れの問題である。それも大体5,000回転前後での定速時にほぼ限られているので街乗りでは殆ど気にする事ではないだろう。
まあ普通の無段変速のスクーターに慣れている人だとこの違和感は気になるかもしれない、という程度だ。

試乗した際と違った感触だったのがブレーキで、遊びが少なく感じた前回に比べてかなりタッチが柔らかく感じる。
単純に気の所為だったのかもしれないが、レバーを引き、効き始めるところからフルブレーキまでの余裕があるので減速操作がやりやすい。

  FORZAの意外な一面

街乗りなど普段使いでの扱いやすさを重視して選んだFORZAだったのであるが、実は高速域でこそその本領を発揮する。

ものは試しと高速も走ってみたのだが、これがまた実に走りやすいのだ。
パワーバンドで最も力が出るのが5,000回転辺りなのだが、速度的には80km/h辺りである。
合流からの加速も全くストレスを感じないし、100km/h程度ならば全く息切れする感じも無く、余裕すら感じる。
頭でっかちに見えるカウル形状も実は空力をよく考慮されていて、ミラーと一体となった風除け効果の高さはウィンドスクリーンを上げなくともそれ程風の抵抗を感じない。
それどころか、80km/h辺りになると横からの巻込風が背中全体を支えてくれる様な感覚で向かい風の負担を軽減してくれるのだ。

確かにもっと後傾で車高の低かったMF10に比べれば直立に近い分風を受ける感はあるが、それをカバーする様に風が背中を押し、更にウインドスクリーンを上げれば実に快適な乗り心地となるのである。

出力が全体にフラットで良くも悪くもクセがない乗り味は通勤通学や仕事向けの味気ないバイクだと勘違いしがちだが、中速域からさらに加速するレスポンスとパワー感はむしろ高速道路を使った長距離ツーリングでこそ真価を発揮するバイクだと言えるだろう。

  便利だと思った機能、不便だと思った機能

長時間使用していて予想外に有効だと感じたのは電動ウィンドスクリーンだった。
正直、遊びで使うことはあっても実用性はそれほどないだろうと高を括っていた機能ではあるが、少し風が強い時やインカム使用等で音楽を聴いたりする際の風切り音が気になる際にこれを見事に解消してくれる。それも走行中状況に応じて手軽に操作できるという事が重要なのだ。
ウインドスクリーンは言っては何だが頻繁に使う機能というわけでも必須の機能というわけでもない。だが、たまに必要性を感じた際に手軽に使える事こそが案外実用的で重宝するものなのだ。
そして私の場合、風よりもどちらかと言えばむ雨天時により効果を発揮している。
小雨程度なら足下が濡れることもないので、急に降られた時に上だけ雨合羽を軽く羽織るだけで済むというのはバイクの移動中は非常に助かるのだ。

前方に突き出たミラーも最初に感じていた以上に見やすく視界が広い。
斜め後方の死角も以前に比べれば遥かに少なくなっており、車線変更の際の安心感が桁違いだ。ミラーがカウルに固定ということもあり当初は懸念していた狭い部分のすり抜けも、正面の視界内にミラーが見えるので感覚は非常に掴みやすい。
ただ、ミラー自体の折り畳む方向が進行方向よりもやや斜め上に回すような感じなので、もし障害に当てたりすると力を逃がせず簡単に破損してしまいそうな気がする。
勿論試す勇気はないので実際に当たったらどうなるかは分からないが、万が一当てた時のことを考えると怖いのでどうしても慎重になってしまう。

意外に重宝しているのがメットインスペースの
仕切り板だったりする。
以前のMF10から乗り換えた際にもっとも不便を感じたのが積載スペースの少なさだ。
63Lの大容量スペースに加え、前面にも引出し式の小物入れが2カ所あったMF10は元々大容量スペースが売りだったので同程度の容量は端から期待していなかったが、いざ荷物を載せ替えようとした時に非常用の雨合羽と保険証等の書類でメットインスペースはほぼ埋まってしまったのには参った。

保険証等の書類を差し込んでおくための爪のような突起がメットインスペースのシート裏にある事はあるのだが、大きさが中途半端で手持ちの書類入れが収まらない上、そこに無理に書類を入れると今度はヘルメットを収める時に引っ掛かってシートが閉まらなくなるという本末転倒な事になって不便なことこの上ないのだ。

最近ではヘルメットの後頭部が空力性向上の為に羽根の様に出っ張った形状の物も多く、私のヘルメットもこれがあるためきっちり奥まで収めないと書類入れの爪が当たって閉まらない。正直邪魔で仕方がないので切り取ってしまいたい位だ。

で、事実上収納スペースはメットインスペースのみとなるので書類等の小物と雨合羽の様な雑に放り込んでおきたい物を分ける仕切り板が非常に有効であったりするのである。
仕切り板の取り付け方は3通り選べるのでどうせならもう一枚位は欲しい。

本当は前の小物入れスペースがもう少し使い勝手が良ければ良いのだが、開口部の蓋の大きさの割には案外間口が狭い。
ウエスや冬用グローブの様な嵩張る物は非常に入れ難く、奥行は縦に深いのであまり小さな物は下に入ると取り出すのが大変だ。
強いて言えばペットボトルを入れるのには丁度良いのかもしれないが、タイプCの電源コネクタが中にあるのであまり液体は入れたくないし、万一中身が零れようものなら掃除もままならない。
信号待ちでも簡単に出し入れする様な物を入れておきたいのに、位置的にはハンドルレバーの真下辺りなのでちょっとした時間で中身を探る際にもハンドルを曲げたりと何かと面倒である。
そういった点でも引き出し状にガバっと開いたMF10の収納がいかに便利だったか今更ながら感じるのだ。
ただ、開閉については蓋部分を押すと簡単に開き、電源を切ると自動でロックがかかるというのは非常に使い易い。せめて口元がもう少し手前の方に大きく開くようにしてもらえればなあ、と思うのだが。

今回の2025年型MF17から採用されたデジタルメーターとスマホ連携機能ではあるが、これに関してはやはり賛否は分かれるのではないだろうか。
メーターに関してはすぐに慣れたし使い勝手が悪いわけでもないが、単純に好みの問題としてデザイン的にアナログの方が良かったなあという程度だ。

ただ敢えて言うならば多少設定で変更は出来るものの、正直どれも画面デザイン自体が今ひとつで安っぽい印象にしかならないのは残念だ。
今時は四輪もデジタルメーターばかりだが、そのデザインはアナログにも負けない洗練されたデザインばかりである。デジタル云々よりもそうした高級感の演出は自由度が高いだけにセンスが問われる部分なのだ。
実用性の面でも燃費表示が小さく分かりにくくなった上、距離計か燃費表示か選択して表示させる必要があるのは不満が残る。常時表示させたい情報を選択出来ないのならば以前のアナログメーターの様に全ての情報を配置しておいた方が良いと思ってしまう。
ただ、距離計のトリップメーターが給油すると自動でリセットする設定があるというのは予想外に便利だ。もしかするとデジタルメーターは皆そうなのかもしれないが、毎回給油の度にリセットしていた私としてはこういった地味に便利な機能はあると嬉しい。

スマホ連携機能の方は残念ながら機能としては中途半端であり、まだ発展途上の感は否めない。
そもそもインカム装備が大前提の機能の為、有効に使える人はそれだけでかなり限定されてしまうだろう。
私の場合は有線のイヤホンをヘルメットに仕込んでいるのでスマホ連携自体は出来なくもないが、ハンドルにあるスイッチで操作できるのはせいぜい音量調節位のものだ。
音楽アプリはYouTube musicなど特定のアプリに限定され、選曲もバイク側のモニターではままならない。
ナビもマイクで行き先を指定出来るのは良いのかもしれないが、普通使いとしては履歴等で選択する事が殆どなので結局はスマホをホルダーに固定して画面を見る事になるのではないだろうか。
まあ要はメーター上で表示出来る情報はあまりにも少なすぎるのでスマホを見ずに操作するということ自体に無理があるのだ。
それならばいっそスマホやタブレットを設置するのを前提に走行中や信号待ちの際の簡単な操作を手元のスイッチでできるようにした方がより現実的なのではないだろうか。
勿論その場合は簡単にスマホを取り付けられる様なアタッチメントを標準化する事も必須だ。
ちなみに、XMAXもそうだったがFORZAにはハンドルバーがカバーに覆われているためスマホホルダーを取り付ける場所が無い。
私はオプションで取り付け用のバーを付けたのだが、スマホホルダーが当たり前になっている現在、取り付けを想定した設備ぐらいはあっても良いと思う。

あと、これは新しい機能というわけではないのだがスマートキーと連動したツマミ式の操作レバーはしっかりとした造りで使い勝手は非常に良い。ツマミ横のメットインスペースや給油口の解錠ボタンは慣れれば手探りでも押せる分かりやすい形状だ。こういった普段よく使う部分の完成度の高さは流石である。
ただ、強いて難癖をつけるとすればツマミのポジションのオン、オフの間にシートオープンのポジションがある事だ。
シートオープンボタンや給油口オープンボタンを押せる様にするためにはツマミをこのシートオープンのポジションにしなければならない。

以前のMF10ではエンジンが停止していればレバーに関係なくボタンが押せたので、停車した時点でハンドルロックし、その後シートを開けてヘルメットを収める事が出来た。
それがMF17では先にハンドルロックするとメットインスペースが開かず、シートオープンポジションにしてヘルメットを収めると今度はハンドルロックを忘れるといった事が頻繁に起こるのである。
まあ慣れれば良いではないか、と言われればそれまでだが、この一手間の多さというのは結構曲者で、毎日同じ手順を繰り返し身体に染み込んだ動作というのはそう簡単には抜けないものなのだ。何故この一手間が必要だったのかは甚だ疑問である。

  まとめ

正直な所、毎日乗って細部を見る機会が増えてくると、つくづく一時期のビッグスクーターブームに乗った頃とはメーカー側の力の入れようが大分トーンダウンしている様に感じられた。
ハンドルバーをはじめとした殆どの部分はプラのカバーに覆われ、そして僅かに見える金属部分はメッキや焼入れは勿論、素材の質感自体も初期のFORZAとは比べるべくもない程安普請に見えてしまうのだ。
それに何より収納の多さや低重心の乗りやすさ、スポーツモードへの切替等の以前のFORZAを象徴する個性的な機能の殆どが無くなってしまい、そういう意味では実に味気ないバイクになった印象ではある。

とは言え、軽快な乗り味と十分な加速力による乗り心地の良さ、そしてシンプルかつ使い勝手を考慮したボタン類の配置等、毎日乗っていれば何かしら感じる使い勝手の悪さの様なものは殆ど感じられないし、そこはこれまで培われてきたFORZAの系譜を活かした非常に完成度の高いバイクに仕上がっていると言える。

今回挙げた物足りなさを感じた部分も考えてみれば新たに追加された部分ばかりで発展途上の部分はまだまだあるが、それもバイクの機能としてはさほど重要なものでもないのだ。
削れるものは徹底的に削りながらも、それでいて安全性や必要な機能にはこだわり、実用性を追求しながらも業務用の様な効率一辺倒ではなく、乗っていて気持ち良く楽しめる1台だ。
ビッグスクーター人気は当分回復しそうも無いが、FORZAの様なバイクはもっと評価されても良いと思うし、せめてもう少し高級感を出せる位には人気も予算も復活してもらいたいものだ。