声を出さないように…




マスクの上から口を押さえた




両目からは… 涙が…溢れて…




止まらなかった








この映画の中には…



かつて、私が生活していた町が…



今は、閉鎖されている町が…



綺麗に描かれていた









隣にいる主人に…


『ここ……』


大きくうなずく主人







間違うはずが、ないのよ?

自分が生活していた町を






でもさ?


こんなに綺麗に



寸分たがわず
映画の中に
私の町があるの!




嬉しかったの…かな?

悲しかったの…かな?





多分…両方…だね






6号線、北上のシーン
数秒だったと思う
流れ…変わる…景色の中にあったの






新海 誠 監督の目にも
異空間として、心に残ったのだろうか?






そういう所に、私は住んでいた