通夜とR&B | 無

通夜とR&B

マンションの集会所で通夜が営まれている。

エントランスが線香くさい。

くさいなんて言ったら罰が当たる。
目を逸らしながら叱られそうにも、叱るひとの気配が無い。

冷たくなった故人が、同じ建物の1Fに眠る。

なまぬるい春の夜。

なんにも知らないあたしは、やはり同じ建物の別の階でR&Bを聴きながら、今日ムカついたことを回想する。

そして、今日嬉しかったやりとりを見直す。

今日は何回かメールがつづいた。
やったね。
とか思いながら。

ほんとに夜通し起きていられるのかな、なんて、
何回か経験した灰色の夜を思い出す。

それでも喧嘩口調のラップだったり、溜息混じりのバラードだったり、
耳から受け取った音に忠実に踊る胸だ。

あした、はやいんだけどな。

もうすこし、悲劇的でありたい。

もうすこし、しあわせにひたりたい。

今日は、すこし、あえたんだ。

今日は、やりとりが、できたんだ。

呼吸している。

肌寒い夜だ。


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