満月インビジブル。 | 無

満月インビジブル。


喫煙を隠そうとする香水と消しきれない煙のにおいがすきだ。

服についたらなかなか取れないそんなにおいがすきだ。

心まで蝕まれそうなゆるい甘いかおり。

そのまま麻痺させて、きのうときょうもあすもなかったことにしてくれたらいいのに。

そんなにおいに誘われて、惑わされて、陶酔する。

つよがる弱者がすきで。

気性の激しい小心者がすきで。

弄ばれる。

しあわせそうな家族の風景なんかみえないのに。

まわりは煩い。

毎朝バターたっぷりの分厚いトーストがあれば、
ほかはなにもいらないよ。

病んでしまいそうな煙にまかれる甘いにおいがだいすきで、土日の休みはやはり嫌いだと悟る。

悲観的でありたい。

平日なんかに休みだからひとりぽっちだぜ。って。

なんならこのまま、どっか、意識が飛んで行ったらいいのに。

だいすきなあまいにおいを思い出しながら、
失神するのも悪くない。

白とか黒いとかめんどくさい、ってグレーを行き来する
生殺しが一番エグい。

だれか たすけて おくれ …!

てのひらあわせあう恋人たちに
硝酸みたいな感情を抱いて、
なまぬるいガムに吐き気をもよおす。

背丈トントンの
チャラい気紛れは
あまい誘惑。

負ける。

煙は消えないし
あまい香水は消える。

残る裸は
どっち付かずの怒りかな。

みえないよ、あかるすぎて、まぶしすぎて。

ただただそのあまいかおりに誘われて、そこからなにもかも忘れてしまいたい。

喫煙を隠そうとする香水と消しきれない煙のにおいがすきだ。

その感覚だけ残してくれれば、
もうなんにもいらないよ。

はやく あいたい。

ゆっくり あいたい。

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