この恋の情熱!見習いたいものだ!
ご存知、ロミオとジュリエットの一節でございます。
でも、これおもしろすぎ
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ヂュリ 「おゝ、ロミオ、ロミオ!何故卿(おまへ)はロミオぢゃ!父御(ててご)をも、自身の名をも棄てゝしまや。それが否(いや)ならば、せめても予(わし)の戀人ぢゃと誓言(せいごん)して下され。すれば、予(わし)ゃ最早(もう)カビューレットではない。」
ロミオ「(傍を向きて)もっと聞かうか?すぐ物を言はうか?」
ヂュリ「名前だけが予の敵(かたき)ぢゃ。モンタギューでなうても立派な卿(おまへ)。モンタギューが何ぢゃ!手でも、足でも、腕(かいな)でも、面(かお)でも無い、人の身に附いた物ではない。おゝ、何か他の名前にしや。名が何ぢゃ?薔薇の花は、他の名で呼んでも、同じやうに善い香(か)がする。ロミオとて其(その)通り、ロミオでなうても、名は棄てゝも、其持前のいみじい、貴(とふと)い徳は残らう。・・・・・ロミオどの、おのが有(もの)でもない名を棄てゝ、其変わりに、予(わし)の身をも、心をも取って下され。」
ロミオ「(前へ進みて)おゝ、取りませう。言葉を其儘(そのまま)。一言、戀人ぢゃと言うて下され、直にも洗礼を受けませう。今日からは最早(もう)ロミオで無い。」
(中略)
ロミオ「あゝ、彼等十人、二十人の剣よりも、それ、その卿(そもじ)の眼(まなこ)にこそ人を殺す力はあれ。唯(ただ)もう可愛い目をして下され、彼等に憎まれうと何の厭(いと)はう。」
(中略)
ヂュリ「誰(た)が案内(しるべ)をしておいでなされた?」
ロミオ「戀(こひ)が案内ぢゃ。尋ねて見い、と真先(まっさき)に促進(すす)めたも戀なれば、知恵を借したも戀、目を借したも戀、予(わし)は舵取ではないけれども、此様な貨(たから)を得ようためなら、千里萬里の荒海の、其先(そのさき)の濱(はま)へでも冒険しよう。」
・・・
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なんだか歌舞伎のようだわ(笑)
坪内逍遥が昭和初期に訳したもの。