コロナ禍のART 寶藏巖國際藝術村へ | 帰ってきた hirokimonon 〜南国10年からの本帰国4度目の結婚生活と着物のこと〜

帰ってきた hirokimonon 〜南国10年からの本帰国4度目の結婚生活と着物のこと〜

4度結婚したオンナの、「幸せ」の追求と日々。
5年間のタイ、バンコク生活から2018年末に台湾、台北に移住し、5年。
約10年余の海外生活を終え
2024年春から拠点を日本に。
2025年4月2冊目商業出版決定✨✨

アーティストQenji Yoshidaとのご縁は、

バンコク在住時代。


彼がアーティストインレジデンシーで、バンコクに滞在中、キュレーターを介して知り合った。


それから不思議なご縁で再会し続けている。


なかなか同じタイミングで

同じ国、しかも2ヶ国でお互いの展示が開催されたり、その国にその地域を拠点にする、なんていう繋がりはない。



今回この世界中を変えてしまったコロナ禍の直前に、Qenjiは台北にやってきた。


日本の文化庁から選ばれて、

アジアで藝術に関する自らのテーマでの、

研究調査をするアーティストとして。


この情報だけでも、国際的に

どれだけ期待されている若手アーティストかが伝わるだろう。



私達は運が良い(笑)

刺激をくれる素敵な友人なのだから。

彼の活躍が心から嬉しいし、誇らしい。




国を越えて、思い通りに動けなくなってしまった為に、当初の計画どおりには進まない中での彼の成果が今回の個展となった。




寶藏巖國際藝術村


展期/8.15()-8.29() (周一休館

藝術家導覽/8.15() 14:30

開放時間/10:00-18:00

地點/寶藏巖國際藝術村 59 2 (免費入場)

藝術家/吉田憲史




場所は、寶藏巖國際藝術村。


MRT 公館駅から15分ほど行った山の中の村である。


本当に細い坂と階段が縦横無尽に延びる

古い長屋のような

不思議な集落の一部が、

藝術村として、

居住区や展示室として使われている。






もの凄い歴史を感じる建物だが、外側のドアにはオートロック🚪の小さな機械がついていたりして…


不思議な場所だ。





そんな一角に、個展会場がある。




テーマは

電波地上( In Teleland ) 


コロナ禍だからこそ、出来た作品だと言える。


コロナの影響で全てがリモート化した事を、昔でいえば テレ〇〇と呼んだところからのネーミングらしい。



日本に居るQenji自身の子供との「遊び」の中で、「色に新しい名前をつける」

という作品は、その発想もさることながら、子供の出した他愛ない答えが広く深い意味にとれる語彙だったり…


楽しいし、新たな発見だ。



それらは、折り紙の大きさのパネルで部屋の中に点々と設置されている。



リモートで、画面のこちら側とあちら側で遊びながら、

例えば金色を見せると、彼の子供は

「ひきわけ」とその色を表現した。


奇しくもオリンピックイヤーの今年…もしかしたら金メダルを取った取らなかったと話題になるかもしれない時期…


「ひきわけ」とは


子供が直感でただ何となく名付けた新たな色の名前に、オトナはいろいろと考えさせられる。





また、台湾ならでは、この時期だからこそ出来上がった作品は、


あの台湾が誇るオードリータン氏の

「マスク再利用方法」の動画に端を発する。


ボーっとマスクの動画を私も見ていたが、

まさか、あの動画から

台湾が抱える問題点を浮かび上がらせる作品が出来上がるとは!!



真っ暗な部屋に23個のスピーカー

そこから台湾国内で使われている言語で「マスク再利用の方法」が流れる。


光っている四角いスペースは

マスクであり

地図のようであり


私には台北駅の、あの日曜日になると、出稼ぎに来た労働者たちが集う憩いの場所のようにも見えた。





Qenji 天才か⁉️


台湾在住の方は、

是非ぜひ現地に足を運んで見てほしい展示です。




(前後するが)
最初の部屋に立てかけらたモニターに映るストライプの美しい映像。


ある動画の電気信号だけを取り出したというが、これは世界中で30%見られているというポルノ動画が元。


そのうちの60%が 日本製だというから驚く。







リモート化する仕事や遊び、人との関わり、台湾も含む、日本や世界が抱える問題や闇を こうしてカタチにして見せる展示。


見事に今を捉え、今を表現した

今でなければ出来上がらなかった作品群でした。

8月29日まで。