昨日「日比谷カレッジ」にて行われた

「経済史100年×

ポピュラー音楽史100年」

受講して来ました・・。


今回は講師である

「ダイヤモンド社」取締役

坪井賢一氏が講演を行いました。

坪井氏自身もアマチュアながら

「音学歴」も長いので、

歌唱解説では音譜を多用しながら

とても分かりやすい

解説を聞けました。


前編である今週はまず、

本田美奈子さんの

発声音階から触れました。

美奈子さんの発声音域遍歴・・。


ポップス→1オクターブ半

ミュージカル→2オクターブ弱

クラシック→3オクターブ


更に細かく述べると・・

ポップスは地声(チェストボイス)

ロックは(シャウト)

ミュージカルでは(ミドルボイス)

クラシックでは(ヘッドボイス)

更にその遍歴の途中のポップスでは

(ファルセット)を多様していました。


この様に多様な歌唱法や、

広い音域を駆使して自由自在

「声」を操つっていた<歌手>は

日本の音楽史では希少な存在でした。

欧米の有名な歌手、マライヤキャリーも

美奈子さん以上の音域

(4オクターブ以上)を持ち

歌に留まらず、自分の「声」を魅せる

「アーティスト」でしたが、

美奈子さん自身も日本を代表する

「アーティスト」として十分な存在でした。


後に坪井氏は帝劇で「ミス・サイゴン」の

美奈子さんの歌唱を聞いて

「恐怖に近い情動」を感じた・・

と言っています。

この時の「恐怖」は「恐れ慄く」という

感情では無く、その気迫の満ちた

歌唱に感動を体感した故の

(身体反応)を現したもので、

それだけ、無限の可能性を秘めた

「歌姫」だったと言う事です。


講義では美奈子さんの遍歴で

欠かす事の出来ない帝国劇場(帝劇)

の歴史についても詳細に解説して

頂ました・・。


その中で、美奈子さんが

初出演した「ミス・サイゴン」の

歌唱遍歴を実際の音源を聞いて

解説してくれました。

それは92年の帝劇ライブ音源と

94年のスタジオ音源の聴き比べ・・。

帝劇のソレは正に迫力の満ちた

荒ぶる感情を表した歌唱。

対してスタジオ録音のは

荒ぶる激しさの中にも

「凛」とした表情を見せる歌唱。

例えるなら・・

帝劇は斧で大胆に刻んだ彫刻に対して

スタジオのは、カンナで磨いだ

澄んだ彫刻の様な感じでした・・。


その後、更に熟成した舞台

03年の「十二夜」のララバイの

音源を鑑賞しましたが、その歌唱は

更に深く厚く伸びのあるものでした




坪井氏曰く、もしも今もご存命ならば

間違いなく、日本のミュージカル界に

欠かせない大きな存在だったかも

知れなかった・・。


最後の方の講演では、

これも美奈子さんとは

欠かせない存在、

「岩谷時子」先生について触れました。


岩谷先生は、日本を代表する

大作詞家であり著名は歌手にも

ヒットソングを提供してきました。


越路吹雪さんとは41年間、

加山雄三さんには36年間、

本田美奈子さんとは10年間

遍歴がありました。

ここで坪井氏は岩谷先生の代表曲

「愛の賛歌」を越路さんと美奈子さんの

歌唱で聴き比べを行いました・・。

二人の歌唱・・

当然、とても素晴らしいものでしたが

そこで坪井氏が言ったコトバは・・

越路さんの歌唱は年輪を重ねた

熟したツヤのある歌唱である事。

故に美奈子さんが40代、50代で

この歌を歌えば更に磨きの掛かった

ツヤやかな歌が聴けたに

違いなかったのではないか・・。

この歌は岩谷さんは越路さん以外に

美奈子さんしか歌わせていない曲でした。

きっと唯一、美奈子さんに

越路さんの姿を写し

美奈子さんだから、歌わせた輪廻的な

意味合いが深かった歌、

それが「愛の賛歌」だった。




講演の最後に、これも岩谷さん作詞の

「つばさ」映像音源と共に

鑑賞しました。

坪井氏が言ったコトバがとても

印象に残りました・・。

「つばさ」では「ロングトーン」

有名ですが、あの歌唱法・・

音楽関係者曰く、あの時

殆ど息を吐いていなかったそうです。

現に「ロングトーン」時に

美奈子さんの口前に紙を垂らしても

殆ど揺れなったそうです・・。

では、あの声量はいったい

何処から来るのか?!

「ヘッドボイス」的な

自分のカラダ全体を鳴らした

歌唱法ではないか?!

言われていますが、

今となっては真意は分かりません。

因みに、あの歌唱法はプロの声楽家でも

どうやっているのか分からないそうです。


こうやって独特な歌唱法を

体得した本田美奈子さんは

つくづく凄い人物だったなと改めて

思いました・・。










来週はその後編・・

今から、その講演を聞くのが

待ち遠しくてなりません・・。