迷うを愉しむ | ヒロポタンの足跡

ヒロポタンの足跡

これは、気まぐれヒロポタンのたどった足跡(主に飲食系 その他諸々)を忠実に、そして、写実的でありながらも叙情的な文章で綴った、臨場感溢れる心温まる手記です。

 月曜日だというのに、休みだった。職場の計らいで、一昨日からの3連休となった。普段と違い、優雅でのんびりとした月曜日の朝は久しぶりだった。日課としている朝の目覚めのコーヒーも、余裕で2杯嗜むことができた。もちろん子供は義務教育を受ける身なので、学校へ送り出すまでは何かと慌ただしく動き回っていたのだが。
 こんな日は夫婦水入らずでランチをするに限る。子供を決して邪魔者扱いする訳ではないのだが、子供がいると我が家では絶対に利用することのできない外食店があるのだ。例えば、蕎麦屋だったり、或いは、注文してから料理が出てくるまで比較的長時間待たされたりする揚物専門店などである。Wi-Fiの環境が未整備のカフェもその対象となったりする。従って、二人でしか行けないような所を重点的に選定し、話し合った結果本日のランチの候補に挙がった所が、宇都宮市中心部に位置する「バリサイカフェ」。以前に、やはり二人で利用したことのあるカフェで、ガレット(そば粉クレープ)に定評がある。なお、ウチのカミさんの情報によると、このバリサイカフェであるが、最近になって姉妹店として隣接地に炭火焼のハンバーグ専門店「炭ときどき薪 椛凛(かばりん)」を展開し始めたという。そこで、久しぶりに自慢のガレット料理を食べるか、またはハンバーグを食べるか大いに迷った。二人で話し合ったがなかなか結論が出なかったので、店の前まで行って、目の前で決めようということにした。

 
 台風10号の遠い影響で、到着時は、強い雨が降っていた。信号が青に変わったと同時に走って道路を横断した。そして、玄関前に辿り着いてどちらに入るか暫く決めあぐねていた時、椛凛の店内から柔和な笑顔の似合う女性スタッフさんが、「よろしかったら、いかがですか?」と優しく誘ってくれたので、これも何かの縁と思い誘われるままに奥に入った。
 ゾクッとする程によく冷えた手拭きで手を拭きながらメニューを眺めてみると、「超粗挽き!旨味をギュッと詰め込んだ手ごねハンバーグ」という言葉が鋭く目に飛び込んできた。色々なアレンジがあるようで、どれも食欲をそそるものばかりだった。一瞬「自家製山わさびクリーム」風味に惹き付けられたが、「肉の旨味を引き立てる旨辛ネギ」というのも空腹感で満たされた心を鷲づかみにして離さなかった。


 結局、ここでも迷いに迷ったが、相乗効果を狙って旨辛ネギ…にした。待っている間、店内を見渡すと、自分以外は女性客で占められていたことに気がついた。うーむ…、ここは、女子力タカい系の店なのかと、少々および腰になりながら待ち続けること十数分。自分たちのプレートが炭火の煙と芳ばしい香りに包まれて運ばれてきた。そして…。
〈施行前〉

 箸が止まらず、ついご飯を平らげてしまったが、実はご飯を食べ尽くす前にほんの少し残しておかなければならなかったのだ。それは、ご飯をひと口残した段階で、鰹出汁の冷や汁を掛けて食べるためである。大きく落胆している自分を見るに見兼ねたのか、スタッフさんがご飯をひと口だけ茶碗にそっと入れてくれた。
 
〈進捗率70%の状況〉


 食後、アンケートの特記欄に、「リピになります」と明記して雨上がりの外に出た。

 さて、今宵も更けてきた。今、バルコニーに出て夜風に当たりながら、何故9月のことを長月と言われるのか考えている。夜の長い間月を観られるからなのか。それとも、9月は三日月ばかり出るからなのか。調べれば直ぐにわかる事なのだろうが、面倒なので、後にする。後日、この疑問をふと思い出したら、古典文学に詳しい人か天文学に精通している人にでも聞いてみることにしよう。明日から、また仕事モード。時間に追われる日が続く。時として周りから迅速な判断を求められる場合もある。オフの日は、今日みたいに、敢えて「迷う」を愉しむ事もいいものだ。