俺が小学校低学年だった頃、将来の夢と言えば
「名探偵」
だった。
何かしら推理で解決したくて、
ほんのささいな事にも、無理やりミステリーの香りを漂わせようとしていた。
そんなある日。
掃除を終えて、自分の机に戻ると、あるはずの筆箱が無い。
俺にとっては、願ってもない「事件」が自分の身に起こったのである。
見習い名探偵は推理に推理を重ねた結果、
即効で先生に相談しに行った。
早いな!もうちょい頑張れって!!
のび太でもこんなに早くは諦めんぜ?
先生は、小学校ではお馴染みのアレ、
「クラス全員を机に伏せさせ、
犯人だけに手を挙げさせる」作戦
を敢行した。
でもこの方法だと誰が挙げたかだいたい分かるだろ!
小学校の匿名性の無さったらないぞ!
無記名のアンケートをしっかり席順に集められたこともあるからな!
・・・案の定、挙手する者は出なかった。
先生「誰も手を挙げなかったので、
連帯責任として全員げんこつです。」
何でそうなる!
なんだか先生が一番悪者っぽいよ!
とは思ったものの、
当時の俺達に先生に意見する程の勇気も無く、
おとなしく全員げんこつを頂戴した。
これにて一件落着・・・
となるはずだったのだが、
その後家に帰り、
この事件を迷宮入りにはさせない!
と意気込んだ俺は、
持ち歩いていた探偵手帳に事のあらましを記録しておこうと、
手さげから筆箱を取り出した。
・・・。
犯人俺かよ!
ていうかまずそこ探せよ!
ランドセルにないならだいたい手さげだろ!!
案の定・・・。とか言ってる場合か!!!
超うろたえた俺は、とりあえず
「解決」
とだけ手帳に書き記し、
名探偵の夢を諦めることにした。うひょ。
あの時のクラスのみんな、ごめん! hiro
