先日3月17日と18日、東京で行われたアジア最大のファンドレイジングイベント【ファンドレイジング日本2018】に初参加・初登壇をしてきました。初参加で登壇なんて…という感じですが、もちろん単独での登壇ではございません。「受け入れ先団体からみた伴走型コンサルタント」というテーマのセッションで、もうかれこれ今年で4年目のお付き合いになる福岡の中間支援系NPO、特例認定NPO法人アカツキの永田さんとペアで出させて頂きました。そして大阪からももう1組、大阪自然史センターの川上さんと、office musubimeの河合さんもご一緒させて頂いたので2組4名での登壇でした。簡単にいうと「ぶっちゃけ伴走型コンサルどうなの!?」を赤裸々に参加者へと伝えるセッションです。
(井上が話している時に、ニヤニヤしている永田さんです笑)
設定をしたゴールは以下の3つです。(全部主語は「参加者」です。)
1.コンサルティングの実例と成果を知ることができる。
2.コンサルティングの受け入れメリットや負担を知ることができる。
3.伴走/寄り添い型コンサルティングの特徴を知ることができる。
当日は68名もの方にご参加頂きました。正直かなりマニアックなテーマですし、同じ時間帯に有名な方のセッションがいくつも重なっていたこともあり「参加者めちゃ少ないんちゃうか!」と心配していたのですが、予想以上の方に来て頂けたなぁ…という印象です。聞きに来て下さった方、改めてありがとうございます。
セッションの内容やコンサルティングの実例を事細かに紹介することはできませんが、この伴走型支援を通じて私が痛感したことを改めて書かせて頂きます。「本気で変わるためには、大切な物を捨てる覚悟も必要」ということです。セッション内ではお話できなかったことも中心に、以下にてお伝えできればと思います!長文失礼します!!!
経営の基本は「選択と集中」です。利益を求めることが目的の営利企業であれば、より利益を得られる事業に資源を集中し拡大・成長を目指します。逆に採算性の悪い事業へは投入する資源を減らしたり、または事業そのものから撤退をしたりします。NPOの場合は社会課題の解決が目的ですので、その解決に一番インパクトを与える事業へ資源を投入し、逆にインパクトの少ない事業への資源の投入は減らします。(もちろん団体運営には稼ぐことも大事ですので、採算性も同じように判断基準に入ります。)限られた資源で最大限の社会的インパクトを起こさなければならないNPOにとって「選択と集中」は非常に大事な考え方だと思います。但し、何かを選ぶということは何かを「選ばない」ということです。ここで大きなジレンマが発生します。そのジレンマは論理的な判断基準と感情的な判断基準の狭間で生まれます。
論理的な判断基準とはつまり、解決しようとしている課題に対してのインパクトが大きいか小さいか、で判断することですし、事業としての採算性があるかないか、成長が見込めるか見込めないかで判断することです。一方で感情的な判断基準とはやりたいかやりたくないか、ですし、また違う言い方をすると強い想いがそこにあるか、ないかです。「何をそんな青臭いことを…」と思われるかも知れませんが、個人的にはNPOの最大の資源はそこに集う人の「想い」だと思っているので、非常に大事な判断基準です。そして強い想いの込もってない事業など基本的にはないので、論理的な判断基準で「選ばない」とした時は必ず感情的な判断基準と衝突します。
ソルト・パヤタスでも、過去にこの衝突は何度か起こりました。直近で起こったのは2017年1月に、理事と職員で合宿をした時です。この場で我々はまさに「選択と集中」に関する決断を迫られていました。論理的な判断基準を当てはめれば「選ばれない」事業がどれかは明らかでした。そしてその認識はその場にいた全員がおそらく持っていたはずです。しかしその決断にはかなりの時間を要しました。なぜならその場にいた全員が、これまでその事業に対して一生懸命に取り組んできたし、その場にいた全員がその事業の受益者の顔を思い浮かべることができたからです。「なんとか続けられる方法はないか?」と様々な意見が出されました。ただ当時の私は腹を括っており、基本的にはどんな意見が出ようが「選ばない」、つまり「捨てる」決断をするつもりでいました。なので感情は押し殺して、論理的なコメントを発することに徹しました。『ホンマは俺かてやりたいわい!!』と叫びたくなる衝動を抑えながら…。とても辛い時間でした。詳細まではあまり覚えていませんが、長い議論の結果、とうとう私たちは「選ばない」決断をしました。
ところがどっこい、この決断は実は翌日にはひっくり返ります。
さぁようやく事業の「選択」が終わり、「集中」に関する話へ進もう!とした時、ある理事が「やっぱり続けたい」と涙ながらに語ったのです。その事業に一番愛情と情熱を込めていた理事でした。その涙に釣られ、別の理事の目も潤んでいました。私も進行する立場で無ければきっと号泣していたと思います。その涙に括っていたお腹はポヨーンと弾け、やっぱり「続ける」という判断に切り替えました。自然にみんなの顔にも笑顔が戻りました。
結局捨ててへんのかい!とツッコミを入れた人も沢山いるでしょう。究極的に感情に流されたこの決断は、経営の原理原則からはかけ離れているかも知れません。それでもなお、私たちは自分たちの想いを大事にしました。その想いの強さは、一度捨てる覚悟を決めたからこそ再確認ができたのかも知れません。
結局何が言いたいのかわからなくなりましたが…伴走型コンサルティングを受けている過程で、ドラマティックな場面を何度も迎えることになりますよということを伝えたかったんです。違いがわかり、ぶつかり、悩み、時には泣いて…ともすれば仲間を失うことにも繋がるかも知れません。但し映画もドラマも小説もそうですが、悲しく辛い場面が途中で多ければ多いほど、最後のハッピーエンドは映えるもんです。組織基盤強化も、ね。
