りっしょうあんこくろん1260年 論文著者日蓮、 監修比企大学。 北条時頼に提出。

 

 

 

主人と旅客の問答形式での文章、この論文提出後にモンゴルからの使者が来る1268年、元寇に至る他国侵逼難(たこくしんぴつのなん)外国からの侵略の難。

北条時宗が異母兄の時輔を殺害した二月騒動、自戒叛逆難(じかいほんぎゃくのなん)の国内内乱をこの論文で預言的中させた。

 

 

 

 旅 客来 りて 嘆い て曰 く、近 年よ り近 日に 至る まで、 天変 ・地 夭・ 飢饉・ 疫癘 、遍 く天 下に 満ち、 広く 地 上 に迸 る。牛 馬巷 に斃 れ、骸 骨路 に充て り。 死を 招くの 輩、 すでに大半を超え、これを悲しまざるの族、 あえて一人もなし・・・

 

 

 

 

 

現代語訳) 

○ 旅人が来て嘆いていう。近い正嘉元年のころから今年文応元年にいたる四箇年の間に、大地震や大風な どの天変地異が続き、飢饉が起こり、疫病が流行して、災難が天下に満ち、広く地上にはびこっています。 そのために牛や馬はいたるところで死んでおり、骸骨は路上に散乱して目もあてられず、すでに大半の人 びとが死に絶えて、この悲惨な状態を悲しまない者は一人もおりません。
○ ことに、人は誰でも死後のことを恐れるものです。そのために誤って邪教を信じたり、あるいは謗法の 教えを貴んだりしてしまうのです。その是非・善悪に迷うことは悪いことですが、仏法に帰依しようとす る心はまことに尊いことです。ゆえに同じく信心をするなら、邪教を信じてはいけません。もし邪教にと らわれる心を改めず、間違った考えがいつまでも残っているならば、天寿をまっとうすることなく早くこ の世を去り、死んでのちは必ず無間地獄に堕ちるでありましょう。
○ 貴殿は一刻も早く邪まな信仰を捨てて、ただちに唯一真実の教えである法華経に帰依しなさい。そうす るならば、この世界はそのまま仏の国となります。仏の国は決して衰えることはありません。十万の世界 はそのまま浄土となります。浄土は決して破壊されることはありません。国が衰えることなく、世界が破 壊されなければ、わが身は安全であり、心は平和でありましょう。この言葉は真実であります。信じなけ ればなりません、崇めなければなりません。