2018年12月23日
ウィリアム・モリスの「ユートピアだより」とは、
モリスが、ケルムスコット・マナーで穏やかに幸せに暮らした
記録かと思っていましたが、
認識がたいへん甘かったと思いました。

芸術的な社会主義へのアプローチ。
そして、近未来小説、SF小説
という概念がその当時あったかわかりませんが、
そういう絵空事ではなく、きっと、
真剣に実現を目指していた。

22世紀のロンドン。
「未だない、どこにもない場所」
1952年に革命が起こる。
無政府、無警察、無貨幣という世界。
中世への回帰を理想としていたといいますが。

政府がなくても、人々が穏やかに暮らしている。
もめごとは起きない風潮、そういう環境だから、警察もいらない。
そして、必要なものは無料でもらえるから、貨幣も必要ない。
人々は、芸術的な手仕事、美しいと思えるもののみを生産し、
そのほかのことは、機械がやっているようだ。

おだやかな時間が流れる。
そんな日が、あと100年でやってくるのだろうか。

モリスにとっての未来人のわたしたちは、
全く逆に走っているように思われるけれど。
そこに至るまでは、たいへんな葛藤の時代があったと
描かれているけれど。

モリスは、芸術に没頭していただけの人ではない。
なんというか、深い人でした。
ヒロミは、自分が単純で、浅い考えしかないから、
ひともそうだと思っているけれど、
モリスは深い。

今の時代を見たら、どう思う?
今の、へんてこりんな建物が並ぶ私たちの時代を、
美しいと、思ってくれるのだろうか・・・