17日の衆院予算委員会で辻元議員の質疑にしどろもどろで応じる安倍総理(衆議院インターネット審議中継より)

(HARBOR BUSINESS Online)

 

「意味のない質問」呼ばわりされた辻元議員、安倍総理と再対決

 

 野党がここまで大流行する前の1月24日に、「桜を見る会」問題を追求するのと並行して、新型コロナウイルス(COVID-19)に関する対策について緊急の厚生労働委員会開催を要求していたにも関わらず応じなかった自民党。COVID-19の日本国内での感染増加の一因は、こうした与党の判断にあることが明確になっている中、桜を見る会についての安倍晋三内閣総理大臣の答弁がズタボロになっている。

 

 NHKなどのニュースでは、見事に「編集」されて、あたかも安倍総理が答弁をこなしているように見えるが、国会中継を見ればその実態は想像以上に酷いものである。

 

 そんな中、12日の衆院予算委員会で、辻元議員の「ここまできたら、原因はタイの頭。頭を変えるしかないんじゃないですか? そろそろ総理自身の幕引きだということを申し上げて終わります」という言葉に対して、「意味のない質問だよ」と野次を飛ばし、謝罪するに至った安倍総理と辻元議員が、17日の衆院予算委員会で再び対峙する場面があった。

 

 安倍総理が、「わたしから言わせれば、罵詈(ばり)雑言の連続だったわけですよ。“こんなやりとりでは無意味ではないか”と申し上げた」と言った辻元議員だが、今回の質疑はどうだったのか? 全文書き起こしをしたので、辻元議員がどのような質問をし、安倍総理がそれにどう答えたのか? NHKの安倍総理に都合よく切った貼ったされた報道ではわからないやり取りをぜひ見ていただきたい。

 

 なお、文字起こしに際しては以下の動画を参考にした。

「辻元ごとき」に動揺し、憤慨する総理

 

辻元議員(以下、辻元):辻元清美です。本日の委員会の冒頭、安倍総理から今月12日の私に対する不規則発言についての謝罪がございました。これは私個人の問題だけではなく、行政府の長として立法府への謝罪であると私は受け止めました。

 で、総理、5年前にもですね、その席で、安保法制の時に私に対して早く質問しろよとヤジを飛ばされて謝罪されたのを覚えていらっしゃいますか? その時総理はこうおっしゃいました。辻元議員の質問の際に私の不規則発言に関し、「重ねておわび申し上げるとともに、ご指示を踏まえて真摯に対応してまいります」。

 またなんですよ。

 で、私はですねこの時も思ったんですけど、私ごときの発言にですね、自分を抑えきれなくってたびたび憤慨するような総理大臣では危機対応、大丈夫かしらと。心底、今心配しております。

 私は歴代13人の総理大臣とこの場で激しく議論してまいりました。小泉総理ともかなりやりあいましたよ。でもねぇ、ヤジを飛ばしまくる総理って初めてです。

 でねー、私もはっきりモノを言いますし、総理にとったら嫌なこともあるかもしれません。でもねぇ、野党がきっちり行政の監視をしなくて誰がするんですか。

 悪いけど自民党の皆さん、頑張ってほしいですよ。桜を見る会だって、公務員の不祥事だって、誰一人おかしいという……石破さん頑張ってや。

 

委員長:あの辻元委員、ここは答弁者に聞いてください。自民党の議員に聞かないでください。

 

辻元:その委員長の采配、おかしいですよ。委員長、私たち議員はですね、衆議院規則45条一項でですね、委員は自由に質疑し、及び、意見を述べることができるってなってるんですよ。

 それで、厳しいことを言ってもですね、受け止めてほしいんです。そうじゃないと、みんながイエスマンに議会がなったら、議会は大政翼賛会になってしまうと思うんです。

 ですから、先ほど二度とこういうことはないようにと、5年前にも私におっしゃったんですけれども、今度こそ総理よろしくお願いしますね。

「政治資金の出入りはガラス張りにしないといけない」と過去に言ってた安倍総理

辻元:で、私はですね、まあ鯛は頭から腐るという言葉を総理に申し上げて、沢山の失礼だというお叱りもいっぱい私いただきました。ですからこの週末、私も胸が痛かったです。でもねぇ、桜を見る会にしてもですね、私一番気になってるのはここで質問しました「安倍方式*、総理大臣、トップ、リーダー、頭(あたま)がですね、あの安倍方式についてお墨付きを与えてしまったら、全国津々浦々まで広がってしまうわけですよ。

 ですから、トップ、リーダーが、一点の曇りもないようにしておいてほしいという思いで私は質問しています。

〈*パーティや宴席で、主催は後援会だが、ホテルと契約を結んだのは参加者個人個人であり、安倍事務所のスタッフは参加者の会費を取りまとめてホテル側に渡し、ホテル名義の領収書を渡しただけなので、政治資金収支報告書に記載する必要がないという安倍理論に基づく手法。2月3日の答弁で、「もしこの方法を全国の議員が始めたら政治資金規正法が崩壊するが、それでも同じ方法でやっても問題がないというのか?」という辻元氏の質問に、安倍総理は「同じ形式ならば問題ない」と言い切った〉

 総理はですねー、1年生になる前、覚えてはります? 『フロンティア』2。総理が当選される前なんですよ。会報だしてらっしゃる。後援会の。これ社会新報に載っててね、私感動いたしました読んで。総理がまだ当選する前ですよ。

 こう書いてあるんです。「政治資金制度の改革。政治資金の出入りは完全にガラスばりにしなければなりません」と書いてるんですよ。で、ですね、「腐敗と決別することができると確信しています」……。

 私、桜を見る会は完全にガラス張りじゃないと思いますよ。それを総理がお墨付きを与えてしまうということに、全国広がったらどうしようと心配してるんです。

 ちょっと1、2点を聞きしたいと思います。

 

そして始まる辻元議員の「詰将棋」

 

辻元:総理はですねー、私明細書を出して下さいと。領収書も出されたらこの問題終わるじゃないですかと申し上げてまいりました。で、今新型コロナウイルスの危機が広がっております。

 前々回の質問では、総理大臣の言葉が信頼できる、信用できる国に、日本したいと申し上げたんです。領収書と明細書やっぱりだしていただけませんかいかがですか?

 

委員長:内閣総理大臣安倍晋三くん。

 

安倍晋三内閣総理大臣(以下、安倍):まさに政治資金の出入りはこれは透明化しなければならないわけでありますし、そのまさに考え方にのっとって私は正式の処理をしているということをはっきりと申し上げておきたい、このように思います。

 そして、えー飲食会の主催者、はですね、この~、安倍晋三方後援会であり、同夕食会の各段取りについては私の事務所の職員が会場であるホテル側と相談を行っております。事務所に確認を行った結果、その過程においてホテル側から見積書等の発行はなかったとのことであります。

 そして参加者1人当たり5000円という価格については800人規模を前提にその大多数が当該ホテルの宿泊者であるという事実等を踏まえ、ホテル側が設定した価格であり価格以上のサービスが提供されたというわけでは、決してなく、ホテル側において、当該価格設定通りのサービスが提供されたものと承知をしております。

 なおホテル側との合意に基づき夕食会の入り口の、えー、において、付近入り口においてですね、安倍事務所の職員が1人5000円を集金し、そのホテル名義の領収証をその場で発行し(*編集部注・答弁では「しゅっこう」と聞こえたが意味的に「発行」と記載する)、受付終了後に集金したすべての現金をその場でホテル側に渡すというかたちで参加者からホテル側への支払いがなされたものとしておりまして、あべ、安倍事務所には、あー、一切収支は発生していないということでございます。

 またはすでにご報告させていただいておりますが、明細書につきましてはホテル側が、営業秘密に関わることであり、お示しをすることはできない、こう述べている、こういうことでございます。そして、領収書につきましては、一部新聞等にですね、その時の領収書が写真付きで出されているということを承知をしておりますが、あのこれはまさに出席者とホテル側との中で、この、との間(かん)でですね、これは、現金の支払いと、そしてこの領収書の発行がなされたものであり、私の事務所からですね、えー、これは指図できるものではない、ということでございます。

 

明細もなしで、宛名なしの領収書をホテルが発行したのか?

 

辻元:「前回もお聞きしましたけれども、全日空ホテルで3回、ニューオータニで4回、7回とも本当にその方式だったんですか?

 

安倍:あのこれはもうすでにあのお答えをさせていただいておりますが、この方式で行なったということでございます。一度ですね、一度、あの全日空に宿泊者がいる中においてニューニューオータニで夕食会が開催された、ということがあった、わけでございますが、それもその時々のですね、ホテルとのやりとりにおいてホテル側から提示された、金額で行われたものであると、このように了承、承知をしております。

 

辻元:いや、普通ですね、ホテルは、明細書、領収明細書というか、ビールが何本でこういう食事でこうこうですから、これが請求書ですよって明細書出すと思うんですけど。ホテル側から明細書の発行はなかったということですか?

 

安倍:あのホテル側から、安倍事務所に対する明細書の提示はなかった、ということでございます。

 

辻元:あの、領収書もですね、そのホテルがですね、宛名をを白紙で、そして金額だけ手書きした領収書を、この全員に配ったというふうに答弁されてるんですけど、宛名のない領収書そんな全員に配るってことを信じられないんですよ。ホテル側はやらないんじゃないですか? いかがですか?

 

安倍:あのこれはですね、ええー、あの私自身、領収書そのものは見ておりませんが、夕食会で受付を担当した職員によればですね、領収書はホテル側が発行したものであり事前にホテル側に、準備を頂いたと報告を受けております。

 領収証はですねホテルの担当者が金額を手書きをし、宛名、宛名は空欄であったということであります。しかし同時にですね、担当者が、その名前をそこに記しているそして適用下記へということでございました。それを渡したということであったと。このように承知をしております。

 

辻元:ちょっと同僚議員の時間を頂いて、私、腑に落ちてないんですよ。これを皆がやり出したらどうなるのかって本当に心配してますのでね。あのそうするとそれだけですね、明細書はホテルからもらってない、で、宛名のない領収証ホテルが発行したというように何回も何回も繰り返し答弁されてますので、それが事実でなければ、責任をとられるというお覚悟でそこに座ってらっしゃいますか? いかがですか?

 

委員長:あのごめんなさい、辻元くんに確認いたしますあの持ち時間を過ぎておりますが、会派内で調整されるとそういう趣旨ですね。はいわかりました。

 

安倍:あのここにおいて私総理大臣として、答弁をさせていただいております。私が把握していることを正直に述べている、ということでございます。

 

辻元:いやですから、それが事実と違ったらきちんと責任を取られるということですね? それがトップ、頭、リーダーのすることですよね。じゃないと全国広がりますからね。どういうふうに責任を取られるとお考えですか?

 

安倍::私がここで総理大臣として答弁するということについては全ての発言が責任を伴うわけであります。まあそういう観点から答弁をさせていただいているということでございます。

 

辻元議員が全日空ホテルに問い合わせた結果

 

辻元:私をどうしても納得いかないので、ホテルに問い合わせを致しました。ANAインターコンチネンタルホテル東京全日空ホテルから文書で回答がまいりました。ちょっと読ませていただきます。

「2013年以降の7年間に貴ホテルで開かれたパーティ・宴席についてお伺いします。この7年間の間に、」……これですけど、7年間の間に3回総理は前夜祭を開いております。「貴ホテルが、見積書や請求明細書を主催者側に発行しないケースがあったでしょうか? この7年間に」。

 回答、「ございません。主催者に対して見積書や請求明細書を発行いたします」。

 総理の答弁と違うじゃないですか? いかがですか?

 

安倍:あのー、それは安倍事務所にということですか?

 

辻元:2013年から7年間に開かれた全日空ホテルでのパーティ・宴席全てについてでございます。

 

安倍::あのまあそれはですね、安倍事務所との間で、えー、どうなっていたかということについてお問い合わせを頂きたい、こう思うわけでございまして、あのその場においてはですね事務所から、それは、そのいわば人数が多いものでありますから、とりまとめを行ったということでございますが、明細書は頂いていないということでございます。

 

辻元:次に、「個人団体を問わず、」……領収書の話です。「貴ホテルの担当者が金額などを手書きし、宛名は空欄のまま領収証を発行したケースはあったでしょうか?」

 回答、「ございません。弊ホテルが発行する領収書において、宛名を空欄のまま発行することはございません」。

 文書で回答来ております。これも総理の答弁と真っ向から違います。虚偽の答弁だとは断定はいたしません。しかし、全日空ホテルからは宛名が空欄の領収書は発行されてないんじゃないですか?

 

安倍::あのそれは私の事務所で開いたものということでおっしゃっているのでしょうか? おそらく、そうではないんだろうと、こう思うわけでございました。ニューオータニを、ニューオータニ側においてはですね、安倍事務所との関係においては、そうした領収書を発行している、と、述べている。こういうことでございます。ということで、述べている、わけでございます。そして、全日空側は、いや、ニューオータニ側は、私どもの事務所においては、今申し上げた形で、これは、領収書を出していると、えー、つまり宴会場においては、すべて手書きで出していて金額を入れ、担当者の名前を入れ、出しているということでございます。

 また全日空ホテルについてもですね、我々と全日空ホテル側と、事務所が、ですね、話をしているわけ、の、いわば、この件についても問い合わせをしているわけでございますが、その点を事務所の方としては、問い合わせて、確認をしているということでございました。

 

辻元:全日空ホテルでは7回のうちに3回、2013年14年16年、行っております。全日空ホテルに問い合わせをしたら、明細書も発行していない、そして宛名のない領収書を全日空ホテルが一人一人に手渡しをした、そのように職員がかん、いや、確認をしたということでよろしいですか?

 

安倍::全日空側はですね、宛名なしの領収証を発行した、ということで間違いはございません。

 

辻元:これはですね、私が問い合わせましたのは、もう一度申し上げます。「2013年以降の7年間に貴ホテル、全日空ホテルで開かれたパーティー・宴席全てについて」問い合わせておりますので、この中に総理の3回の前夜祭も入っているんです。で、領収、請求明細書、これは請求書のことですよ。発行している。領収書宛名のないなんか出しませんとおっしゃってるわけですよ。

 そしてですね、これも聞きました。

「ホテル主催ではない数百人規模のパーティー・宴会で、代金を主催者ではなく参加者個人一人一人から会費方式、会費形式でホテルが受け取ることはありましたか?」と。

 回答、「ございません。ホテル主催の宴席を除いて、代金は主催者からまとめてお支払いいただきます」。

 総理が一人一人と契約をして会費を参加費を、ホテルがガーッと集めたものをごっそり持ってって支払いだと。ひとりひとりからっていうことはホテル主催の宴席、自分のとこがやってる宴席以外は一切やってないと言ってるんですよ。

 この答弁も総理の答弁が事実と違うんじゃないですか? いかがですか?

 

「総理案件」だけ特別扱いだったのか!?

 

安倍::あの今、主催者とおっしゃいましたよね。ですから私が従来から答弁をさせていただいておりますように、主催者は安倍事務所ではないわけでございます。主催者は安倍事務所ではない、わけでございます。そしていわば、契約主体はですね、個々の参加者である、ということでございました。この件においてましても、ええ事務所側ですね、あのうニューオータニ側とも、全日空側とも話をしているところでございました。

 繰り返しになりますが、宛名のない領収書で書いている、いわば、あの支払いを行っているということにおいては、間違いがないということは申し上げておきたいと。このように考えます。

 

辻元:それは全日空側と職員が打ち合わせをして、そして「普通とは違う特別なやり方」を、安倍事務所側がお願いしたということでよろしいですか?

 

安倍::あのこれはの繰り返しになるわけでございますが、これはまあそうした参加者1人当たり5000円という価格につきましてはですね800人希望前提に、まあその大多数が当該ホテルの宿泊者であるという事情を踏まえまして、ホテル側が設定したわけ、ででございました。そうした形式につきましてもホテル側が了解をしているところでございます。価格分以上のサービスが提供されたというわけでは決してなくて、ホテル側において当該価格設定通りのサービスが提供されたものと承知をしております。

 そしてホテル側との合意に基づいて、えー、夕食会場入り口の受付において安倍事務所の職員が1人5000円を集金し、ホテル名義の領収書をその場で発行し、受付終了後に集金したすべての金額、現金をその場でホテル側に渡すというかたちで、参加者からホテル側への支払いがなされた。これはニューオータニにおきましても全日空におきましても同じであるというふうに、承知をしております。

 

辻元:そうしますと、全日空ホテルからの回答、主催者これは安倍晋三後援会です。この場合は。安倍総理の場合は見積書や請求明細書を発行いたします、これこの言ってみれば安倍総理が全日空ホテルを使った期間全部にやってると言ってる。そして宛名のない領収書は発行いたしませんと言っている。

 そしてさらに、ホテル主催の宴席を除いて代金は主催者からまとめて支払う、私は「参加者個人一人一人から会費方式で受け取ることあるか?」と聞き、「ございません」と回答しているんです。これ総理の前夜祭が入ってます、よこの7年間。

 じゃあ一般はこうだけど、安倍事務所は全日空ホテルと、まぁ特別に、この間もですね特別の関係みたいな話がありましたから、一般とは違うやり方でやったと、全日空ホテルはこう言ってるけれども、安倍事務所は特別にご配慮いただいたという理解でいいですか?

 

安倍:それはですね、辻元さんの事務所と全日空ホテルが、どういう前提でどういうやりとりをされたかということを、私、承知していませんから、お答えのしようがないのでございます。例えば、ニューオータニとのやり方、やり取りにおきましてもですね、ええあのいやいやあのオントウにおきましてですね、5000円で可能か、こういう形で5000円で可能かと言えば可能ではないという回答があったということは承知をしております。でもその時にさまざまな前提条件も付けられたと伺っております。そういう中においてはそういうことになるわけでございます

 が、今しかし、ニューオータニはですね、その後いわば条件によってはそういうことも可能だということを述べているところでございました。

 いわば辻元委員がですね、この私の事務所を含めて、ということを先方に聞いたのか、どうかということでございますが、そういうことではないのではないかと、と思うわけでございまして、まさにこれはですね、今辻元委員がからご質問をいただきましたから全日空側にもですね、我々もですね確かめさせていただきたいこのように思います。

 

「政治家及び政治関連団体だから対応を変えたことは?」「ない」

 

辻元:ワタシは条件は付けておりません。「2013年以降の7年間に貴ホテルで開かれたパーティー・宴席”全て”についてどうだったか」ということしか聞いておりません。そしてですね、もう一問聞きました。

「主催者が政治家および政治家関連の団体であることから対応は変えたことはありますか」という質問いたしました。この7年間。

 私はですね間違いがあってはならないと思って文書で質問をし、そして文書で回答を全日空ホテルから正式にいただきました。そしてですね、裏付けるような報道もすでに出ております。

 これ毎日新聞ですけど、13年以降明細書など料金の総額がわかる書類を主催者側に例外的に発行しなかったケースがあるか? これ、全日空ホテルに取材しています。「なかった」と明言。

 で、他の報道もですね、宛名のない領収証等ホテルが発行することはありませんと毎日新聞の取材にも応えている。

 私はですね、真っ向から総理のおっしゃってる答弁が全日空ホテルのこの回答では根底から覆ると思いますよ。

 総理大臣として全ての発言に責任を持っているとさっきをしおっしゃいましたね。おっしゃいましたね。いかがですか?

 

安倍:先ほど答弁したとおりでございます。

 

「真実と異なる答弁を繰り返す首相にゾッとした」

 

辻元:まあですね、国権の最高機関である国会で、真実と異なる答弁を行く度となく繰り返し、さらには政治資金規正法違反の疑いが濃厚になったんじゃないかと、私はこの全日空ホテルからの文書による答えをもらって背筋がゾッとしました。

 あの、先ほど総理はですね確認してみるとおっしゃいましたね。そうしましたら、午後の委員会までに確認をしていただきたい。そして引き続き同僚議員にこの点について明確な御答弁をいただきたい。

 もう一度申し上げますけどね、主催者が政治家及び政治家関連の団体であることから対応を変えたことはありますかと、この7年間に。文書で私は問い合わせを致しました。

「ございません」が全日空ホテルの回答でございます。ですから、先ほどよく聞いてみるとおっしゃいましたので、よく聞いて午後にしっかりと答弁をしていただきたいと思います。そして、委員長もこの私と同じ質問を委員会で出されたらどうですか? 同じ答弁が来ますよ。答えがきますよ。午後までに総理調べていただきますか? 最後確認させてください。

 

安倍::あのこの後ですね、あのまぁ先方にあたって、あの事務所からですね、当たらせたいと思います。当たらせたいと思います

 

辻元:終わります。

 

午後の答弁で「ホテル側は個別の客に対して守秘義務」

 

 いかがだろうか? 明細書は発行されなかった、領収書は宛名なしで発行されたという安倍答弁に対して、まったく食い違うホテル側の回答を突きつけた辻元議員。さらにホテル側は、辻元議員の「政治家及び政治家関連の団体であることから対応を変えたことはありますか」との問に「ない」と答えているわけで、それはすなわち安倍事務所後援会のことも含んで聞いているのである。

 また、仮に安倍総理の答弁が真実であったとすれば、「安倍総理関連にだけ特別に便宜が図られた」ということにほかならず、それはそれでまた別の問題を孕んでいるのだ。

 ちなみに、午後の委員会で安倍総理は、辻元議員の質疑の後を継いだ小川淳也議員にこう答えた。

 「辻元氏が入手した資料は『広報推進室』が出したものであり、安倍晋三事務所が話したのは『営業』だった」「宴会は営業であり、個別案件は営業の秘密に含まれる」と。もし営業と広報の見解が異なるとは全日空ホテルの名誉も傷つける話である。しかし、この午後の衆院予算会議のあと、毎日新聞が17日22時49分に配信した記事によれば、ANAインターコンチネンタルホテル東京は毎日新聞の取材に対し、「個別の案件については、営業の秘密にかかわるため回答に含まれていない」「弊ホテルとしては、主催者に対して明細書を提示しないケースはないため、例外はないと理解している」と回答したという。

 国難ともいえるCOVID-19流行の中、安倍総理が出すべき書類を出せば一発で野党の追及を黙らせることができるにも関わらず、ここまで嘘が明らかになった答弁を繰り返すだけで、何も出さず「私が言ってるから信じろ」とばかりの強弁を続ける安倍総理。引き伸ばしているのはどちらか、自明であろう。

<文/HBO編集部>