目指すは世界女王(時事通信フォト)

 フィギュアスケート界を“ロシア3人娘”が席巻している。昨年開催されたグランプリ(GP)シリーズ(10~12月)は全7大会の優勝をアリョーナ・コストルナヤ(16)、アレクサンドラ・トルソワ(15)、アンナ・シェルバコワ(15)のロシア勢で独占。GPファイナルではその3人が表彰台を飾り、日本のエース・紀平梨花(17)は4位、平昌五輪(2018年)金メダルのアリーナ・ザギトワ(17)は最下位の6位に沈んだ。

 

「昨季のGPシリーズでは紀平がトリプルアクセルを武器にファイナル含めた3大会で優勝しました。ところが状況は変わり、今季はロシアの高い3枚の壁に紀平が抑えこまれている構図です」(スケート関係者)

 

 3人娘と紀平が次に対決するとみられるのが3月の世界選手権だ。

「ロシア勢に対抗するため、紀平は4回転サルコウに挑んでいます。ただ、ロシア3人の勢いはまだ止まらないでしょう」

 

 そう話すのは、フィギュア担当記者だが、一方でロシア3人娘にはこんな不安もあると指摘する。

「3人ともロシアの名門クラブでエテリ・トゥトベリゼ・コーチに師事していますが、ザギトワと平昌五輪銀メダルのエフゲニア・メドベージェワ(20)、さらにソチ五輪ロシア団体金メダルのユリア・リプニツカヤ(21)も同じでした。シニアデビューで一気に注目を集めても、調子が悪くなるとすぐに同門から次のエースが飛び出す、選手生命の短い“使い捨て”指導法だと批判もあります。10代前半で厳しい練習を課され、精神的に未熟なまま栄冠を掴むので、メンタル面から崩れていくのが早いといわれています」

 

 記者の間では、若きメダリストたちのこんな行動が話題になっているという。

「会見中にテーブルの下に隠し持っているスマホを覗き見していることが増えているんです。GPファイナルではコストルナヤがそうして視線を落としたまま記者の質問に答え、トルソワは愛犬を膝に抱えていました。かたや、紀平はそんなことはなく会見の質問には目を見て丁寧に答えています。メンタル面ではいい意味の鈍感さがあり、怪我や調子が悪くても強い気持ちを保てるので、長く活躍できるはずです」(同前)

 3月の対戦で微笑むのは誰?

※週刊ポスト2020年1月17・24日号

 

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アリョーナ・コストルナヤ(16)

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