台風15号の影響による停電が続く千葉県で、県が災害用に備蓄する非常用発電機の半数以上が活用されていないことが20日、県の資料などでわかった。県内では同日午後8時時点で約1万2千戸が停電しており、停電による断水も続く。

 

 この日開かれた県の災害対策本部会議の資料などによると、県は県内13の防災倉庫に発電機を計468台備えている。今回の台風通過後に貸し出したのは、市町村には鋸南(きょなん)と神崎の2町で計6台だけ。県警向けが210台で、主に信号機を動かすために使われた。残り約250台は防災倉庫に眠った状態という。

 

 発電機にはコンセントがつき、一度の燃料の補充で3~4時間、明かりや煮炊きに使える。県の地域防災計画では備蓄は「市町村を補完する」としており、市町村からの要請で貸し出す流れだ。原則、避難所の運営や役場での予備電源など、行政サービスの維持に使うことが想定されており、今回は2町以外からの要請はなかったという。県民への直接の貸し出しは想定されていない。