冠微小循環障害(CMD)やINOCAというキーワードを最近聞くようになってきた。

学会などでも取り上げられ今年3月に神戸で開催された日本循環器学会でも取り上げられ分科会は盛況だったと聴く。

 

冠攣縮性狭心症持っていると、ニコランジル・ベニジビン・アミオダロン・フランドルテープなどこの辺りを使って症状を制御している方も多いと想像するが、幸いにしてこの辺りの薬でかなり上手く制御がいくので、これまで治療法はあまりアップデートされてこなかった歴史もある。

 

しかし2023年に発表された「2023年JCS/CVIT/JCCガイドラインフォーカスアップデート版 冠攣縮性狭心症と冠微小循環障害の診断と治療」などで冠微小循環障害について言及され注目が高まっている。要は、冠攣縮性狭心症の人は、冠微小循環障害という カテーテル試験の時にやるレントゲンでは映らないような微小な血管にも障害が起きていて、悪さしてる人がかなり多いのではという内容だ。

 

昔はそもそも微小な血管の障害を見る方法がなく解らなかったようだが、研究が進んだことで冠攣縮性狭心症と冠微小循環障害や冠微小血管攣縮が ダブって起きているいうのが最近発表されてきている。

 

予後の予測にも、冠微小循環障害を評価することで、使えることが解ってきており

注目が高まっている。私みたいな心停止までしてしまうような患者を見つけ出すことにもつながりそうな内容なので期待したいところだ。

 

課題としては、日本や海外も含め冠微小循環障害を測定できる病院が少なく

この辺りは金なども提供しないと研究がなかなか進まないかもしれない。

 

患者団体などを作って各研究機関に助成金として提供していくようなスキームが

できるとスピードアップにつながりそうだ。

 

 

参考文献

2023年JCS/CVIT/JCCガイドラインフォーカスアップデート版 冠攣縮性狭心症と冠微小循環障害の診断と治療
https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2023/03/JCS2023_hokimoto.pdf