
最近引っ越しの際に改めて自分の本を整理したり、
秋になって涼しいのもあって良く本を読みます。
子どもの頃からアガサ・クリスティーが好きなのですが、
ミステリーやサスペンスは秋にぴったりな気がします。
クリスティーのよいところは、心理描写が恐ろしく鋭くて細かいところ
当時のムードや空気感、流行を上手く小説の中に取り入れるのが巧い。
私は彼女の描く自分の生まれる前の、昔のイギリスの雰囲気が凄く好き。
昔NHKでやっていた名探偵ポワロのドラマ大好きでした。
なんというか品があってお洒落でした。古き良き時代という感じです。
クリスティーというと、名探偵ポワロやミス・マープルを思い浮かべますが、
探偵の出てこないノン・シリーズのサスペンス、あとアガサ・クリスティー名義ではなく別のペンネーム
のメアリ・ウェストマコット名義で書かれた恋愛小説もあります。
恋愛、結婚とか夫婦関係の小説が凄く面白いんです~
現代日本でも全然通じます!
中年のイギリス人女性の主人公が中東に末娘のお見舞いに行き、あるきっかけで今までの人生を振り返っていく話。
優しい夫と可愛い子供たちに恵まれ、そして良妻賢母を自認する彼女ですが、
「ほんとは自分のやってきたことは独りよがりで家族に愛されていないのでは。。?(むしろ嫌われているのでは?)」
と疑念が生まれ、そこからどんどんストーリーが展開していきます。
登場人物の造形や心理描写の表現がリアリティあり、何とも言えず読者の心を抉ってくる話ですがグイグイ読まされて止まりません。
自分の記憶からどんどん家族の本当の気持ちに迫っていく展開がサスペンス風でした。
読み終わって思うのは、主人公は傲慢かもしれないけどそんな悪い人間ではないんです。。
いつも内省したり謙遜する人でもなければ誰でも彼女のようになる可能性があると思いました。
こちらはロンドンで暮らす仲の良い母と娘の関係が、母親の再婚話が持ち上がったことで壊れていく、という話。
コメディぽくて展開も早くて面白いです。
優しくお淑やかな母親、溌剌としてはっきりした娘、口うるさいメイド、ちょっと不器用な母親の交際相手、ハンサムだけどうだつが上がらない娘のボーイフレンド、皆絶妙なキャラクターで良かった![]()
母親は交際相手は良いところも、欠点もある男性です。
母親は彼の良いところを直ぐに見つけて短所も可愛いと思うのですが、
娘の前では彼は嫌な部分が出てしまい、娘もすぐに彼を嫌い抜き敵視します。
娘は大好きな母親の再婚相手候補として、どんな男性が来ても嫌ったかもしれないですが、
二人は元の相性自体がとことん悪いんだろうって感じでした。
この話はメイドが出てくるのですが、イギリスの話は家の主人たちとメイドや使用人や家庭教師との関係も面白いです。
母と娘がお互いに子離れ、親離れしていく過程が描かれています。
読後感が良かったです![]()
こちらは恋愛&サスペンス小説です![]()
美しいけど呪われた土地ジプシーが丘で野心的でハンサムな主人公と、大富豪の娘が出会い、恋に落ちて結婚。
二人はジプシーが丘へ理想の家を建ててそこで結婚生活を始めますが、次々と身の回りで不吉なことが起きます。
この思わせぶりなタイトル、たまりません![]()
クリスティー自身もかなりお気に入りの作品だったそう。
最後のどんでん返しが凄い!そういえば、怪しいけどまさか。。。
単純な私は気持ち良く騙されました笑
ネタバレ
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主人公マイケルと富豪の娘エリーの出会いは実は仕組まれたものであり、
結婚してしばらくしてマイケルは彼女を殺害し遺産として莫大な財産を受け継ぎます。
ですが、彼女を殺した彼はすこしの間、遺産を手中に納めた喜びを味わうのですが
すぐに虚しさと共に彼女のことを思い出します。
物語の中盤で、マイケルの前でエリーがギターを弾きながら、胸に染み入るような声で歌っているシーンがあります。
「なぜそんなふうに私を見つめてるの、マイケル」
「どんなふうに?」
「まるで、愛しているみたいな目で……」
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エリーが殺されてしまったあとに、このセリフが凄く重く響きます。
エリーはマイケルの目的を知っていても、一緒にいたのか?
マイケルは自分の幸せを知っていたのか?
野心と物欲の塊のマイケルだけど、本当は彼女との結婚生活に幸せを見出しているときも沢山あったはず。
立ち止まる機会は沢山あったのに、止まれなかった。
”終わりなき夜に生まれつく”宿命だった、というラストでした。
3冊とも面白いので、是非読んでみてください![]()



